例年にない盛り上がりを見せている鈴鹿サーキットで、いよいよ明日の決勝グリッドを決める公式予選がスタートした。
14時00分の予選開始を前に、各観戦スタンドはほぼ満員。0.001秒単位で繰り広げられるタイムアタック合戦を見守った。
20分間で行われた予選Q1から魅せてくれたのが、小林可夢偉(ザウバー)。多くのドライバーがタイヤ温存のためにハードタイヤを使う中、Q1からソフトタイヤを投入し、1分32秒042をマーク。そのまま2年連続でQ1トップ通貨かと思われたが、ロマン・グロージャン(ロータス)が1分32秒029でわずかに更新。可夢偉は2位通貨となった。一方、Q1から脱落の危機に陥ったのが、前日引退発表をしたミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)。Q1も残り数分というところでやっとコースインし、一発勝負のアタック。途中までQ2進出ラインを上回るタイムを出せていなかったものの、最後のシケインを上手くまとめ、0.056秒差でQ2進出を果たした。
続くQ2が始まると、母国GPでQ3、そして初のポールポジションを目指す可夢偉が真っ先にコースイン。これにはグランドスタンドのファンも大きな声援を送って、彼を送り出した。しかし、その可夢偉の前立ちはだかったのが、今週末好調のレッドブル勢。その中でも特に速さを見せたのが、鈴鹿を得意とするセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。1分31秒501でQ2トップ通過。可夢偉は最後のアタックでセクター1はベストタイムで通過できたものの、セクター2でややタイムロスがあったが、1分31秒886でQ3進出を果たした。
ベッテル、ウェバー、バトン、ハミルトン、アロンソ、ライコネン、グロージャン、ヒュルケンベルグ、可夢偉、ペレスが進出した最終Q3。ここでもレッドブル勢が他を圧倒する。まずはベッテルがいきなり1分30秒839で1分30秒台に唯一突入すると、ウェバーも1分31秒090で2位に飛び込む。一方、アロンソや可夢偉、ペレスらはタイヤ温存も考慮し、1回のみのタイムアタック。残り3分を切ったところで、満を持してピットアウトしていく。
しかし、ここでまさかの事態が発生。最終アタックに出たメンバーの中で、先頭を走っていたキミ・ライコネン(ロータス)がスプーンカーブでスピン。これで黄旗が出されてしまう。後ろを走っていた可夢偉も少なからず減速を余儀なくされ、1分31秒700。結局4位で予選Q3を終えることになった。
ライコネンのスピンにより、ほとんどのドライバーが好タイムを出すことが出来ず、そのままベッテルの通算34回目、前回シンガポールGPから2戦連続のポールポジションを獲得。ウェバーも2位が確定し、今季は中高速コーナーの多いコースで若干苦労が見られたレッドブル勢が、鈴鹿で復活のフロントロー独占を果たした。
3位にはジェンソン・バトン(マクラーレン)が入ったが、彼はギアボックスのペナルティにより、明日の決勝は5グリッド降格となる予定。可夢偉はバトンに一歩及ばずの4位だった。
しかし、Q3でのライコネンスピンしスプーンカーブが黄旗区間になっている状況下で、可夢偉を含め何人かのドライバーが自己ベストタイムを更新した。レギュレーション上では黄旗区間を通過して更新されたタイムは抹消される事になっており、現在コントロールタワーでは審議が行われている。
詳しい情報や、予選の正式結果が出次第、続報をお伝えしようと思う。
『記事:吉田 知弘』
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