F1日本グランプリ開幕が明日に迫った4日(木)、鈴鹿サーキットのパドックに衝撃が走った。
夕方に行われたメルセデスAMGのホスピタリティで記者会見が行われ、ミハエル・シューマッハが今季いっぱいでの引退を表明したのだ。
1991年にF1デビューを果たしたシューマッハは過去最多となる通算91勝、7度のワールドチャンピオンを挙げている。特に1997年から在籍しているフェラーリチームとともに何度も王座に輝き、“フェラーリ黄金時代”を担ったドライバーでもある。2006年いっぱいで一度引退を決意するが、彼自身の中にあるレースに対する熱意は消えず、現役復帰を決意。2010年からメルセデスGP(現メルセデスAMG)からレース復帰を果たす。復帰以降の優勝はないものの、3シーズン目を迎えた今年はヨーロッパGPで表彰台に登るなど“皇帝”と言われていた時代の調子をとり戻し始めていた。
しかし先週、マクラーレンのルイス・ハミルトンがメルセデスAMGに移籍することが発表され、同時にニコ・ロズベルグも残留。シューマッハは実質的にシートを失った状態になっていた。
今回の会見でシューマッハは「まだ現在の優秀なドライバーたちと台頭に走れることは分かったし、2010年からの復帰については後悔していない。でも、これ以上F1ドライバーとしてモチベーションを上げていくことが難しくなっている。また“さよなら”を言う時がやってきた」とコメントした。
もちろん、過去6勝挙げた鈴鹿サーキットでのレースも、これがラストランとなる。16時から行われたドライバーサイン会に笑顔で出席したシューマッハ。抽選に当選したファンの前に座ると、一人ひとりに笑顔でサイン。最後に「皆さん、良い週末を!また明日鈴鹿で会いましょう!」と気さくに挨拶してピットに戻っていった。
現在のパフォーマンスを見ると、残念ながらお世辞にも「鈴鹿で優勝!」とは言い難い状況にあるが、彼も大好きなサーキットであり、思い出の場所でもある鈴鹿で、“ベストレース”を見せてくれることを期待したい。
『記事:吉田 知弘』
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