SUPER GT第7戦オートポリス決勝、GT300クラスは2番手スタートのtriple a vantage GT3(吉本大樹/星野一樹)が優勝。今季2勝目を飾った。
午前中の霧は晴れたもののウエットコンディションになった決勝。朝のフリー走行がキャンセルになったため、安全を考慮しセーフティカー先導でスタート。2周を終えたところでセーフティカーがピットに入り、本格的なレースが切られると、ポールポジションのS Road NDDP GT-R千代勝正とtriple a vantage GT3星野一樹が集団から抜け出し、一騎打ちのバトルが始まっていく。トップを走るNDDP GT-Rは関口が第6戦富士を欠場。規定により今回参戦しているドライバーの参戦数が7戦に満たない場合、1ポイントあたり2kgの計算でウェイトハンデが課せられる。このためライバル勢のウェイトが約半分になった中、NDDP GT-Rは96kgという大きなハンデを背負ってのレース。しかし、ウェイトハンデを影響が全くないかのような走りを千代が披露。2位のアストンマーティン星野をすこしずつ引き離していく。
一方のアストンマーティンは、第5戦鈴鹿で優勝。しかし前回富士ではマシントラブルで痛恨の0ポイントに終わってしまった。ここで優勝しないとチャンピオン獲得への望みが薄くなってしまう。ステアリングを握る星野も、このことを十分に理解しており、再びNDDP GT-Rを猛追。21周目ターン3でのブレーキング勝負に競り勝ち、アストンマーティンがトップに立つ。
序盤はNDDP GT-R主導の展開だったが、このオーバーテイクを機にアストンマーティンが一気に後続を引き離し独走の展開に持って行こうとするが、33周終わりに行ったピット作業でミスが発生。大きくタイムロスをしてしまいNDDP GT-Rに再び先行を許す。
再度レースの流れを掴むことになったNDDP GT-R。昨日の予選で素晴らしい走りを見せた関口雄飛が今季2勝目を目指して後続を引き離そうとするが、星野からバトンを受けたアストンマーティン吉本大樹もピットでのタイムロス分を取り返すべく怒涛の追い上げをみせ、早々とトップ関口の背後につく。なんとか扉をこじ開けようとする吉本に対し、意地でブロックを続ける関口。第7戦オートポリスGT300クラス決勝は、完全に2台のマッチレースとなった。
数周に渡って緊迫した接近戦が続いたレース後半、今度はトップのNDDP GT-Rに悲劇が襲う。残り10周となった55周目のターン3付近で左リアタイヤが突然脱輪。そのままコース脇にマシンを止め、悔しいリタイヤを余儀なくされた。
ライバルの予期せぬリタイヤにより再びトップを手に入れたアストンマーティン吉本。そのまま確実にゴールまでマシンを運び、嬉しい今季2勝目のチェッカーを受けた。
2位にはエンドレスTAISAN 911(横溝直輝/峰尾恭輔)、3位にはHANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢)と、今回苦戦が予想されたポルシェ勢が表彰台を獲得。これによりGT300クラスのチャンピオン争いはハンコックポルシェが71ポイントで首位キープ。それをアストンマーティンが67ポイント、エンドレスポルシェが62ポイントで追いかける展開。最終戦もてぎでは、この3台がチャンピオ争いをすることになる。
『記事:吉田 知弘』
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