SUPER GT第6戦の決勝レースが富士スピードウェイで行われた。昨日の予選同様に真夏を思い出させるような日差しが照りつけたサーキット。首都圏から近いということもあり33,800人のファンが来場、チャンピオン争いへつながる重要な1戦を観戦した。
GT500クラスのポールポジションはカルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)。S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)が2位に続き、日産GT-Rがフロントローという形でレースがスタートした。
1コーナーでは好ダッシュをみせたインパルGT-Rの松田がトップを死守。MOLA GT-Rクインタレッリも負けじと続いた。しかしMOLAは86kgのウェイトハンデを背負っており、後方から追い上げてきたWedsSport ADVAN SC430とENEOS SUSTINA SC430に先行を許してしまう。しかし、素早いピット作業で逆転。30周目に逆転2011年チャンピオンの実力を発揮し、再び2位を奪い返す。
一方、インパルGT-Rは46kgと比較的軽いウェイト。松田も気迫の走りでライバルを全く寄せ付けず、結局一度もトップを譲らないまま30周を過ぎたところでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラにバトンタッチ。オリベイラも同様の走りでリードを広げ、結局2位以下に対し21秒の大差をつけて今季初優勝を飾った。
パルクフェルメに帰ってきたオリベイラは、マシンを降りるとルーフの上に乗り雄叫びをあげ、喜びを爆発。チームとしては2011年の岡山ラウンド以来、約1年半ぶりの勝利。チームインパルとしても、最近は“あと一歩”という悔しいレースが続いており、5月のGT第2戦では終盤の雨による緊急タイヤ交換が裏目に出て5位。8月のフォーミュラ・ニッポン第5戦(もてぎ)でワン・ツー・フィニッシュ目前というところでマシントラブルにより松田が失速。後味の悪い勝利となってしまった分、今回の完全勝利には星野一義監督も満足した表情だった。
2位にはピット作業で逆転したMOLA GT-Rが入り日産GT-Rのワン・ツー・フィニッシュ。3位はWedsSport ADVAN SC430(荒聖治/アンドレ・クート)が入り今季初表彰台を獲得した。
注目のチャンピオン争いはMOLA GT-Rが58ポイントでトップに浮上。2位ZENT CERUMO SC430(50ポイント)、3位DENSO KOBELCO SC430(43ポイント)と続き、今回優勝したインパルGT-Rが43ポイントで4位浮上。トップ4が15ポイント以内にひしめく大混戦となった。
次回は9月29・30日に第7戦オートポリス。GT500のチャンピオン争いは例年にない激戦となりそうだ。
優勝ドライバーコメント
松田次生
「ホッとしましたね。第2戦では同じようにトップを走っていましたが最後は波乱の展開で勝てなかったので、このレースで全てを吹っ切ることが出来たので良かったです。スタートを担当したので、ギャップをすこしでも広げてJPにバトンタッチするのが一番の仕事でした。それを果たす事が出来て、さらにマージンを広げてゴールしてくれました。本当に素晴らしいチームメイトです。ここで勝った事でチャンピオンシップに残れたので、最終戦までポイントを稼いでJPと一緒に力を合わせて頑張っていきたいです。」
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
「今週末は完璧な週末だったよ。週末を通してクルマが非常に良く、PPも獲得できたしレースに向けての車のセットアップもうまくいった。松田選手が素晴らしい走りで前半のうりに多くのマージンを作ってくれたので楽だった。感謝しているよ。タイヤも上手く使えたし、今回は自分たちだけではなくチームや関係者に感謝したい。」
『記事:吉田 知弘』
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