金曜の計時予選上位10チームによって行われるトップ10トライアルが行われた。
11番目に出走したMuSASHi RT ハルク・プロの高橋巧選手は「金曜までタイムが出せず悔しかった気持ちをぶつけた」と渾身の走りで2分7秒台を叩きだしSlower Riderのトップに踊り出ると、Faster Riderを務めた清成が更にタイムを縮めて2分7秒063で4チームを残した時点でトップにたった。
圧巻の走りを見せたのはMONSTER ENERGY YAMAHA-YARTの中須賀克行選手。「トップ10トライアルは8耐の一つの見せ場でもあるから気合いが入った」という見事な走りで出走ライダー唯一の2分6秒台となる2分6秒845をマークしヤマハにとっては12年ぶりとなるポールポジションを獲得した。
優勝候補のヨシムラスズキレーシングチーム、F.C.C. TSR Hondaは中須賀、清成のタイムに一歩届かず3,4位にとどまり明日の決勝を迎える。
【トップ10トライアル結果】
PP 2’06.845 MONSTER ENERGY YAMAHA-YART(中須賀克行/T・ヒル/芳賀紀行組)
2位 2’07.063 MuSASHi RT ハルク・プロ(清成龍一/青山博一/高橋巧組)
3位 2’07.297 ヨシムラスズキレーシングチーム(L・キャミア/青木宣篤/J・ウォーターズ組)
4位 2’08.077 F.C.C. TSR Honda(J・レイ/秋吉耕佑/岡田忠之組)
5位 2’09.343 TOHO Racing with MORIWAKI(山口辰也/高橋裕紀/手島雄介組)
6位 2’09.623 エヴァRT初号機トリックスター(芹沢太麻樹/出口修/井筒仁康組)
7位 2’09.661 Honda DREAM RT 桜井ホンダ(J・スタファー/W・マックスウェル組)
8位 2’09.708 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM(V・フィリップ/A・デルホール/加賀山就臣組)
9位 2’10.045 テルル&イー・モバイル★Kohara RT(辻村猛/野田弘樹/渡辺一馬組)
10位 2’10.475 Honda Team Asia(亀谷長純/A・カマルザマン/玉田誠組)
<記者会見>
ポールポジション
MONSTER ENERGY YAMAHA-YART (2’06.845/中須賀克行選手)
中須賀克行
8耐ウィークに入る前までは6秒8を出すと公言していたんですが、実際ウィークに入ると気温も高くマシンも夏バテ気味で思ったより走らなくて木曜金曜と苦しい状況でした。今朝もフリー走行で予選用タイヤを試すつもりではいましたが、トラブルがあり走れず不安が残るままトップ10トライアルに望むことになってしまいました。(芳賀)紀行さん以来ヤマハはポールポジションを取っていなくて、8耐の予選は一つの見せ場でもありますし気合も十分で、なんとか今回12年ぶりのポールポジションがとれて本当に嬉しかったです。(決勝に関して)過去に4回挑戦して1度しかゴールできず苦い思い出しかないんですが、優勝経験者の芳賀選手もいますし、トミー選手も速いので後はバイクを信じて3人でしっかりバトンを繋げて結果が出ればいいですね。まずは8時間走り切る事が大事なので集中して上位について行きたいとおもいます。
Tommy HILL
鈴鹿はイギリスよりすごく暑いと思っていたけど、それよりもまずは新しいバイク、チーム、サーキットと学ぶ事の方が多かったのでそこが本当に大変でした。普段芳賀選手チームメイトでもあるし中須賀選手も速いという評判は聞いていましたので僕は安心していたんですが、実際中須賀選手が本当に早くて普段芳賀選手と一緒に走る時よりもプレッシャーを感じました。ラップタイムは良かったと思うので明日はしっかり走リ切りたいとおもいます。
芳賀紀行
金曜日からトラブルが出ていて思う様に進まない中、中須賀選手が素晴らしいラップタイムを出してくれて12年前の自分を見ている様でした。
僕も12年前にポールをとった時は吉川和多留さん監修の元でのライダーだったのでやらなくてはならないというのが伝わってくるところがあって、今回も中須賀ならやってくれるだろうと信じていましたので、そういう意味でも12年前の自分を思い出しました。バイクもトラブルが続いているんですが、それは今日までにして明日はなるべく速いペースで走って一番上を目指したいとおもいます。
2ndポジション
MuSASHi RT HARC-PRO. (2’07.063/清成龍一選手)
清成龍一
僕は一周のアタックは苦手なんですが高橋選手が良いタイムを出してくれていたのでリラックスして走れたのが良かったんだと想います。決勝は気温も暑くて疲れると思うので集中してしっかりバトンタッチして行きたいとおもいます。
高橋巧
昨日までなかなかタイムが出せなかったんで、その悔しさを今日にぶつけて走ったら7秒に入りました。自分ではまだまだミスがある走りをしていたのでとりあえず目標にしていた7秒台が出せて良かったです。3人ともいいコミュニケーションがとれているので、明日はレースで足を引っ張らない様に頑張りたいとおもいます。
青山博一
8耐はエントリー自体は2003年にはしていますが実際に走るのは初めてなので、こんなに鈴鹿8耐って暑いものかとびっくりしています。見ているよりもずっと過酷で8時間のレースを想像するとどうなるんだろうって感じですが、チームメイトの二人とも優勝経験もありますので心強いです。明日は長丁場なので自分のパートではミスの無いように走りきりたいです。
3rdポジション
YOSHIMURA SUZUKI RACING TEAM (2’07.297/J.WATERS選手)
Leon CAMIER
鈴鹿8耐は暑くて難しいコンディションですが、それは皆おなじ状況ですのでそこは自分自身をうまくマネジメントしていけばいいと思っています。今日に限っては自分に取って最高のアタックとはいえなかったけど、ジョシュが本当に素晴らしい走りをしてくれたのでひとまず安心しています。明日に関してはチームメイト二人とも速いので自分としてはコンスタンスに走って自分をプッシュして行きたい。
Joshua WATERS
とにかく鈴鹿は暑く、特にオーストラリアは冬なので本当に暑く感じますが、チームが本当にいい仕事をしてくれていますし、チームメイトも速いので明日は頑張ってやるだけだと思っています。
青木宣篤
レースウィークに入って前のテストより10度くらい気温も上がって路面コンディションも一転してタイヤもグリップしなくなって迷走していたんですが、ある程度のグリップ不足の原因もわかってきましたし、彼らの走りも素晴らしくて拍手を送りたいです。キャミア選手はスズキでの参戦は初めてで普段乗っているGSX-Rとはまた様子が違うと思うのでなるべく彼のライディングポジションやセッティングに近づけて鈴鹿に入ってもらってタイヤに慣れてもらおうと思いました。ジョシュは適応能力が高くてなんでも乗りこなせるライダーですね。明日は力を合わせて頑張りたいと思います。
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