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【FormulaNippon】第4戦富士(決勝):8位スタートのロッテラーが執念の逆転V!
- 2012/7/15
- Formula Nippon
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『撮影:SHIGE』
フォーミュラ・ニッポン第4戦富士の決勝レースが15日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、8番手スタートのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)が大逆転で今季2勝目を飾った。
昨日の予選から天気に振り回されていた第4戦。決勝前に行われる8分間ウォームアップ直前にも雨が降り始め、WET宣言が出されるなど、スタート前から混乱。結局小雨がパラついていたグリッド上だが、安田裕信(KONDO RACING)を除く全車がスリックタイヤをチョイスしてレースが始まった。
スタートでは2番手の大嶋和也(Team LeMans)が好ダッシュを決め、中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)からトップを奪う。一貴もオーバーテイクシステムを使って抜きにかかるが、なんとか耐えて少しずつリードを広げていく。
一方の一貴は、8番手から怒涛の勢いで追い上げてきたロッテラーに追われる展開。この間に大嶋が差を広げ、一時4.6秒のリードを築く。
スタートしてからも雨が降っては止み、また降り始める・・・という気まぐれな天候だったが、レース中盤に一つの転機を迎える。26周を過ぎたあたりから、このレース一番の大雨となり、ウォータースクリーンが巻き上がるほどコース上はウエットになった。ちょうど給油するためのピットストップの時期と重なったということもあり、山本尚貴(TEAM 無限)、小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)らがピットインしてウエットタイヤに履き替えた。しかしトップの大嶋をはじめ、一貴、ロッテラーともにタイヤを換えず「ステイアウト」を選択。一時は1分45〜46秒台までタイムが落ちたが、またしても雨が止み、路面が乾き始めていく。
これで2セット目もドライタイヤという選択肢に固まった上位陣は、2位の一貴から動いた。38周したところでピットイン。給油のみでタイヤ交換を行わず11.9秒でピットアウト。翌周に大嶋もピットイン、同じくタイヤ無交換で11.5秒でコースに復帰しようとする。しかし、ピット出口で制限速度のリミッターを解除しようとした時に解除ボタンが一瞬反応せず、タイムロス。その間に差を詰めてきた一貴が1コーナーで並びかけ、逆転でトップに浮上する。2010年のSUGO以来、2勝目が大きく見えていただけに悔やまれる2位後退となってしまった。
開幕戦の鈴鹿と同じく、前半の2位からピットストップで逆転する展開でトップを取り戻した一貴。このまま今季2勝目のトップチェッカーかと思われたが、チームメイトの3位ロッテラーがラスト10周を切ったところから怒涛のスパートを開始。まず2位の大嶋を追い詰め、49周目1コーナーでミスを誘い2位に浮上すると、あっという間に一貴をロックオン。この終盤にまたしても雨が降り出し、残り3周を切ったところで勝負に出始める。一貴も巧みなライン取りで応戦するが13コーナーでイン側に飛び込んだロッテラーが主導権を握り、プリウスコーナーでアウトからパス。なんと残り2周でトップが入れ替わる劇的な展開でロッテラーが今季2勝目を獲得した。
2位に一貴が入り、2011年最終戦もてぎ以来となるトムス1-2フィニッシュ。3位にはレース前半に素晴らしいトップ快走を魅せた大嶋、4位には調子を上げてきたロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)が飛び込むなど、1〜8位をトヨタエンジン勢が独占した。
また、チェッカー時には通常のチェッカーフラッグに加えて先月30日に等々力競技場でのデモ走行イベントで登場した川崎フロンターレの特性チェッカーフラッグも一緒に振られた。その時にデモ走行をした一貴、塚越のマシンには引き続きフロンターレステッカーが貼られるなど、イベントをきっかけに交流が続いていることが感じられたレースでもあった。
表彰式でドイツ国歌を聴きながら、終始笑顔が耐えなかったロッテラー。「どんなレースでも”勝つ“ことには嬉しいことだし、価値があると思っている。今日は8番手から難しいレースを制することができて満足しているよ。先日のル・マン優勝も嬉しかったけど、今となっては一つの通過点。これからは次のことに向けて集中していきたい。」と、すでに彼の頭の中はル・マンに続けてF・ニッポン2連覇に向いているようだった。
注目のチャンピオン争いは、中嶋一貴が29ポイントで再びランキング首位に返り咲き、2勝目のロッテラーが25ポイントで2位、塚越はウエットタイヤへの交換が裏目に出て9位0ポイント、トータル23ポイントでランキング3位となった。
次回は、第5戦は8月4・5日に栃木県のツインリンクもてぎで開催される。
『記事:吉田 知弘』
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