日本時間の今夜(24日)21時からスタートするF1第8戦ヨーロッパGP。今季も唯一の日本人ドライバーとしてF1に挑戦している小林可夢偉(ザウバー)は、今季3度目の予選Q3進出を果たし、7番グリッドを獲得した。
予選後、ザウバーチームのリリースで可夢偉は「今日のマシンの出来と結果は本当に嬉しい。今日はほんの少しのミスで順位が大きく入れ替わるほど、タイムが僅差だった。しかし、我々が目標としていた予選でのパフォーマンス向上を達成する事が出来た。決勝レースでも、このパフォーマンスを持続していかなければいけないし自信は十分にある」とコメント。
ここ数戦は、後手に回るレース展開が続き、前戦カナダGPで僚友のセルジオ・ペレスが自身2度目の表彰台に上るなど、若いペレスの活躍の影に埋もれてしまっていた可夢偉。予選Q1・Q2ともに当落線ギリギリで次のラウンドに進出、タイム的には決して良いものでなかったかもしれないが、今季なかなか回ってこなかった“チャンス”を今回はしっり掴んだ。そして予選Q3でも、タイヤ温存のため、残り時間わずかのところでピットアウト。一発勝負のタイムアタックで見事1分38秒741をマークし、予選7位。今や最大のライバルとなったペレス(1分39秒358:15位)を打ち負かし、堂々のシングルグリッド(トップ10圏内)からスタートを切る。
今回、可夢偉がスタートを切る7番グリッドは1コーナーに対してイン側の「奇数列」。レース中の走行ラインでもあるため、スタートダッシュが効きやすいと言われている。実は第3戦中国GPでも3番手グリッドからスタートという絶好のチャンスを得ていた可夢偉。しかし、スタートで出遅れ大きく後退。結局10位でチェッカーを受ける事になった。この苦い経験を誰よりも覚えている可夢偉は、You Tubeで公式配信されている動画コメントでも「スタートをきっちり決めて、前の位置でレースを進めていきたい」と意気込みを語っている。
今日の可夢偉のレースでのポイントはいくつかあると思うが、まずはスタートをきっちり決めて、最低でも7位を死守して1周目を終えてメインストレートに帰ってくる。そうすれば、前回のペレスのような好結果も期待できるかもしれない。
今年からフジテレビの地上波中継もなくなり、日本のレースファンにとっては、可夢偉の活躍がなかなかメディアに露出されない日々が続いている。さらに昨年以上に上位争いが激化し、ポイント獲得や表彰台圏内でのフィニッシュが困難になっている状況の中、それでも彼は諦めずに必死に世界を相手に勝負している。
是非、今日の決勝レースでは日本代表として世界最高峰のモータースポーツの舞台で戦う小林可夢偉を、是非みんなで応援しよう。
『記事:吉田 知弘』
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。