今シーズンからSUPER GTのGT500クラスはヨーロッパのDTM(ドイツツーリングカー選手権)と車両規則を統一される。これに合わせ、近年はDTMに参戦するドイツメーカーがSGTに参入。その中でいち早く本格的に動いたのがBMWと言えるかもしれない。
昨年までGSR初音ミクBMW参戦に携わっていたStudieが、BMW JAPANと組んで新チーム「BMW Sports Trophy Team Studie」を結成。17日に体制発表を行った。ドライバーにはGT500クラスで活躍していた荒聖治に加え、BMWワークスドライバーのヨルグ・ミュラーもフル参戦。さらにドイツのBMW MOTORSPORTとも連携をとり、万全の参戦体制を整えている。
実質的なワークス体制が整ったこともあり、やはり気になるのは将来的にGT500へのステップアップがあるのかというところ。それについて、エントラント代表兼チーム監督を務める鈴木康昭氏は、このように語ってくれた。
「もちろん挑戦はしてみたいです。今回の新チームは、そのための第一歩と言っても過言ではありません。ただ、何年からどういった体制で、という具体的なお話はできない時期であるのが現状です。DTM車両での参戦については、今もドイツのBMW MOTORSPORTや日本のGTA(GTアソシエイション)から色々情報を収集しているところです。実は2年前にBMW側も規則統一がされればすぐにでも参戦したいというお話は頂いていました。ただGTAとの交渉だけではなく、他の国のレースの動向など様子を見なければいけない部分もあります。マシンの規則統一をしてみたものの、参戦実現に向けて細かく調整をして、もっとお互いの歩み寄りが必要なのかなと感じています。それも踏まえた上で私のイメージとしては早くて2016年、実際は2017〜2018年ぐらいになるのではないかと思います。」
確かに車両規則は統一されたものの、エンジンに関して見るとSGTは2.0リッター直列4気筒ターボエンジンなのに対し、DTMは4.0リッターV8エンジン。その他にも車両規則以外のところでルールが異なり、それが参戦実現への障壁になっているようだ。また今季もGT500クラスに参戦を予定している国内3メーカーはすでに新マシンを発表しているが、ホンダのNSX CONCEPT GTはミッドシップのレイアウトでハイブリッドシステムを導入するなど、独自のアプローチをしている。そういった本当に細かいところも含めて、しっかり統一した環境が必要なようだ。
いずれにしても、鈴木代表はBMWのDTM車両でのGT500参戦の意思は強く持っている様子で「この件は、再三再四にわたってBMW JAPANさんにもお話させていただいております。まずは色々な状況をしっかりと見守っていき、チャンスがあればすぐにでも参戦したいです」と笑顔で語ってくれた。
今季の新レギュレーションとBMW JAPANのGT300クラス参戦は、DTM車両がSGTのレースに参戦する第一歩となったことは間違いないだろう。だが、実現にはもう少し時間がかかりそうだ。
『記事:吉田 知弘』
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