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【SF】2013第6戦SUGO:SC4回導入と大波乱の決勝。デュバルが0.041秒差で逃げ切り今季初V!
- 2013/9/29
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2013年の全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦の決勝が宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。昨日の公式予選同様、晴天に恵まれたSUGOにはスポット参戦の佐藤琢磨を応援するファンを中心に賑い、コースサイドには多くのレースファンが白熱の決勝レースを見守った。
ポールポジションはロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、2番手に山本尚貴(TEAM無限)が並ぶ顔ぶれでスタートが切られた。出だしは山本のほうが良かったがデュバルが巧みなブロックでトップを死守。逆に行き場を失った山本は3番手のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)に先行を許し3位に後退する。このコースと相性が良いデュバル。2010年以来となる勝利に向けて序盤からリードを広げようとするが、後方で平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)がSPコーナー(イン)で激しくクラッシュ。幸い本人に大きな怪我はなかったが、これでセーフティカー(SC)が導入された。まだスタート直後ということで上位陣はステイアウト(コース上に留まること)を選択。そんな中、12番手スタートの伊沢拓也(DOCOMO DANDELION RACING)が大逆転をかけ、5周目を終えたところでピットイン。給油を行い、これで最後まで乗り切る作戦に出た。
8周目にレースが再開され、各車1コーナーへ。だが今度は順位アップを狙ったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)とインに並んだ際に両車のタイヤが接触。オリベイラはコントロールを失い、そのままスポンジバリアに激突。こちらも怪我はなく自力でマシンを降りたが、再びSCがコースに入った。ここで上位陣が一斉に給油のためピットイン。レース後半に足りなくなる予定の燃料を補給してコースに復帰する。ここでレースをリードしていたデュバルたちを、最初にピットインした伊沢が逆転。見事戦略が的中した。また小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)の3台が、ここでもステイアウトを選択。12周目に小暮を先頭にして再度スタートが切られる。
現在の決勝ルールでは特にタイヤ交換義務等はないが、終盤に燃料が足りなくなるため、必ずどこかのタイミングでピットインが必要になる。そのことを十分に理解している小暮は猛烈な勢いでプッシュし後続との差を広げていった。トップの小暮とすでにピットを終えている4位伊沢との差が20秒に達した27周目、SPコーナー(アウト)でリチャード・ブラッドレー(KCMG)がクラッシュ。このレース3度目のSCが導入された。ここでナカジマレーシングは動きをみせ小暮、大祐ともにピットへ。小暮はタイヤ交換も行いピットアウトするが、少しだけリードが足りず伊沢の後ろで戦列に復帰。レース前では全く予想がつかなかったホンダエンジンのワン・ツー体制が出来上がった。
これで全車がルーティーンのピットストップを終えて32周目にレース再開。序盤にピットインしたメンバーは時間短縮のためかタイヤ交換をしていないのに対し、小暮のみ新しいタイヤに交換したため一番勢いがある。狭いSUGOを縦横無尽に走り、トップの伊沢を攻略にかかる。そして37周目、スリップストリームに入りアウト側から抜きにかかるが伊沢も意地でインを抑える。そのままクロスラインで小暮が2コーナーで今度はインを狙うが、無理に攻めすぎてしまい接触。伊沢は弾き飛ばされコースオフ。なんと2戦連続でリタイアを余儀なくされ、チャンピオン争いからも完全に脱落してしまった。これで小暮はトップの座を取り戻すが、接触行為で10秒のストップ&ゴーペナルティが下され、大きく後退。こちらも今季初優勝の望みが絶たれてしまった。
波乱に次ぐ波乱の展開となった第6戦SUGOの決勝。最終的に優勝争いはデュバルとロッテラーという現在WEC(世界耐久選手権)でも活躍するトップドライバー2人による一騎打ちとなった。中盤はデュバルが少しアドバンテージを築いていたが、残り周回が少なくなるにつれロッテラーが差を詰めていく。ついに55周目に追いつき、メインストレートで横に並びアウトから1コーナーで抜きにかかる。しかしデュバルも必死にブロック。2人とも接触寸前、コースアウト寸前のハイレベルなバトルを繰り広げ、スタンドに詰め掛けたファンも釘付けになった。ライバルの猛追を振り切りデュバルがトップを死守していたが、残り10周を切ったところで平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)がエンジンブローを起こしコース脇でストップ。中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)と塚越広大(HP REAL RACING)が接触し、両者危険な位置にマシンを止めてしまうなどアクシデントが相次ぎ、事態収拾のために4度目のSC導入。これでデュバルを先頭に2位ロッテラー、さらに逆転チャンピオンを狙う3位山本との間隔が一気に縮まり、残り数周での超スプリントバトルが展開されることになった。
そして65周目にレース再開。すると、ロッテラーが一気に間合いを詰め、毎ラップに渡って1コーナーでデュバルに襲いかかる。一瞬は前に出られそうになるが意地でこらえきり、デュバルが先頭のままファイナルラップへ突入。しかし、ここでは1コーナーで抜きにかからないロッテラー。実は最後のチェッカーを受けるメインストレートでの逆転を狙っていたのだ。裏ストレートから徐々に間隔を縮め、SPコーナー、最終コーナーとリズムを合わせメインストレートの上り坂へ。スリップストリームに入り、2台並んだ状態でコントロールラインを通過した。結局0.041秒差でデュバルが先着。68週にも及ぶ大バトルは今年のル・マン24時間王者でもあるデュバルに軍配が上がった。3位には山本が入り、今季3度目の表彰台を獲得した。
レース後、パルクフェルメに戻ってきた2人はお互いの健闘を讃えて、笑顔で握手。まさに世界トップレベルのバトルをみせてくれた。これでチャンピオン争いは首位ロッテラーが37ポイントに伸ばしチャンピオンに王手をかけた。タンク2位デュバル(31pts)とともに最終戦鈴鹿はWECと日程が重なっているため欠場。唯一逆転の可能性を残した3位山本(24pts)の結果次第で2013年のシリーズチャンピオンが決まる。
『記事:吉田 知弘』
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