スタートから18時間が経過した2013年のル・マン24時間レース。LMP1クラスは2号車アウディがトップを死守。それを1周差で2位8号車トヨタ、2周差で7号車トヨタが追いかけている。
当初はアウディよりピット回数を減らすため1スティント12周ペースで走行を続けていたが、トップの2号車を捉えることができず夜明けを迎え、今は1スティント11周のペースになっている。さらに17時間を経過したところで他クラスのマシンがオイルをばら撒いてしまいセーフティカーが導入。この間にピット作業を行った8号車がピット出口で先導位置の関係上、赤信号にひっかかってしまいタイムロス。トップとの差が2周に開いてしまった。
残り6時間。少しずつ逆転のチャンスがなくなり始めているが、トヨタ勢は今のところ大きなトラブルに見舞われておらず2台とも順調に周回を重ねている。一方のアウディは今年も万全な体制で決勝を迎え、アクシデントやトラブルなど何が起きても最低限のタイムロスで戦列に復帰できるような準備をチーム全体で行なってきていた。ところが、開始6時間40分を過ぎたところでトップを快走していた1号車アウディが緊急ピットイン。ガレージ内にマシンを戻すとメカニック総出でミッションを外して大幅なマシン修復を行うトラブルに見舞われた。
もちろん、同じR18 e−トロン クワトロを使う2号車にも同じトラブルが起きる可能性はゼロではない。また、ピット回数が多くなってしまう関係上、ゴールまでの6時間は0.1秒でも多くタイムを稼ぐために攻め続ける必要がある。その重要な場面で、今度は13号車のレベリオンレーシングがクラッシュ。これでガードレールが破損し、その修復が作業のために、またしてもセーフティカー導入。序盤同様に長時間に渡って隊列走行が続いている。
“勝つのに必要なチャンス”を得るための残り時間がなくなりはじめている両陣営。特に2周差で追いかける立場のトヨタ勢として、少しでも2号車アウディに食らえ付いていく粘り強い走りをして、プレッシャーをかけ続けていくことで、何か突破口が見えてくるかもしれない。
ゴールまで残り6時間。今年のル・マン24時間は最後の最後までどの陣営が勝つのか、まったく予想がつかない展開となっている。
『記事:吉田 知弘』
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。