2月6日、今年初のF1合同テストの舞台となるスペイン・ヘレスサーキットでザウバーF1チームが新車「C31」を発表した。
今季も同チームのドライバーを務める小林可夢偉とセルジオ・ペレスの手により、お披露目された新車C31。昨年のC30と異なる点は、まずはカラーリングだ。
昨年までの白ベースとは異なり、フロント・リアのセクションが黒一色となっている。今季から変更のあるフロントノーズの段差も存在しており、ノーズ先端部分は薄く突き出しているような形状。この他にもエンジン周りが大きく絞り込まれているなど、昨年のC30から大きく手が加えられていることが伺える。
このマシンを駆り、フルシーズン3年目を迎える小林可夢偉。昨年はカナダGPで途中2位を快走するなど、活躍する場面も見せたが、後半戦はやや失速。合計30ポイントでランキング12位となった。3年目を迎えるにあたり“シーズンを通した安定性”を強調した。
小林可夢偉
「今年は3年目のF1だけではなく、このザウバーチームのメンバーとして迎える3年目でもある。1年目はシーズン前半はダメだったけど、後半は良くなっていき、逆に2年目は前半のスタートダッシュは良かったけど、後半戦で失速してしまうなど、2年間でたくさんの経験をしてきた。3年目はシーズンを通してコンスタントに良い結果を出し続けられるようにしたい。今季もザウバーチームの皆と共にシーズンを迎えられることを楽しみにしているよ。」
可夢偉のチームメイトは今季もセルジオ・ペレス。予選では可夢偉を上回る鋭い走りも見せていたが決勝では安定感に欠けたレースも少なくなかった。今季は決勝レースでの成長ぶりにも注目したい。
セルジオ・ペレス
「デビュー1年目は“3年分経験した!”と感じるくらい、たくさんの事を体験することができた。今年は昨年以上に良いリザルトを残せるようにしたい。」
このC31で7日からの合同テストに参加するザウバーチームだが、不安要素も若干ある。この新車発表直前に、今までテクニカルディレクターとしてチーム活躍に大きく貢献してきたジェイムス・キーのチーム離脱が発表された。
この事は今季のザウバーチームにとって少なからず影響があるかもしれないが、新体制でさらにレベルアップするザウバーチーム。そして3年目で“さらなる進化”に注目が集まる小林可夢偉の2012シーズンに期待したい。
『記事:吉田 知弘』