2012年のHondaモータースポーツ参戦計画発表会が行われたHondaウエルカムプラザ青山には、先日の「2012北米国際自動車ショー」で発表されたNSXコンセプトが登場。国内初公開となった。
軽量ボディにV型6気筒VTEC直噴エンジンを搭載、歴代NSX同様にミッドシップレイアウトとなる。また高効率・高出力の4輪駆動ハイブリッドシステム「Sport Hybrid SH-AWD」を搭載し、ハイブリッドシステムを取り入れた次世代スーパースポーツモデルだ。
このNSXコンセプトは、2月4・5日の2日間、Hondaウエルカムプラザ青山で特別展示されるほか、初代NSXも同時展示され、一般のファンも見ることが可能になる。
また、モータースポーツ参戦計画発表会で、このスーパースポーツモデルは3年以内に北米で導入、その後順次に日本でも投入される予定で、国内での市販車発売を機にSUPER GT(GT500クラス)への参戦も計画されていることが、明らかにされた。
その他にも今季途中からGT300クラスに人気ハイブリッドスポーツカー「CR-Z」で参戦をすることも発表され、レースの世界にハイブリッドシステムを取り入れようとするホンダの積極的な動きが伺えた今日の参戦計画発表だった。
ハイブリッドカーでレースに参戦・挑戦することに対して伊東社長は、このように語った。
「私は非常に意味があることだと思います。我々としては“(ハイブリッドという)新しい技術とともに、新しい時代のレースを”という思いあり、まずはGT300にCR-Z、そして先々には我々が提供する次世代スポーツカーでレース参戦をしていきたいと考えております。まだレギュレーションに関して何も決まっていない状態でお話することになってしまっていますが、我々の“希望”としては、是非こういった新しい技術をレースの世界に導入していきたいと思っております。
ハイブリッドカーは弊社としても、(軽自動車を除いて)5~6割のシェアをもっており、燃費向上には非常に有効なシステムです。
しかし、クルマというの“楽しいものを買いたい”“欲しいから買う”というものでなければいけないと思っております。ハイブリッドというのは、そういった方面にも可能性を持ったシステムだと当初から着眼をしておりました。そして、その象徴となるような“スーパースポーツ”を是非創りたいとプランを温めてきたのが、今回ご紹介したNSXコンセプトです。これはハイブリッドシステムによる燃費向上・環境性能の向上もそうですが、一番狙っているのが“今までのクルマでは味わえない、運転の楽しさ・爽快さ”を具現化できそうなモデルです。
レースというのは、本当に厳しい競争環境の中で、ハイブリッドというものが研ぎ澄まされた競争領域の中でも、非常に有効な手段であるという進化を遂げたいと思っておりますし、私はその可能性があると思っております。駆動系の内燃機関の中にモーターが入り込むことによって、必ず性能に貢献する部分があると思うので、そういった部分を探っていくということも我々としてはワクワクする挑戦だと思っております。」
いよいよ、モータースポーツの世界も“ハイブリッドシステム”が主流になってくる日も近いのかもしれない。
『写真・記事:吉田 知弘』