3日間にかけて開催されたJAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP、早くも最後の決勝レースを迎えた。今年も最後を締めくくるのは、国内で一番人気のあるカテゴリー「SUPER GT(GT500)」の第2レースだ。
ポールポジションは今季のチャンピオン柳田真孝(SRoad MOLA GT-R)。第1レースでのロニー・クインタレッリのように独走で優勝を飾るかと思われたが、スタートから意外な展開でレースが進んでいく。スタート直後に立川祐路(No.38ZENT CERUMO SC430)と松田次生(No.12カルソニックIMPUL GT-R)が接触し、パーツが飛び散るなどのハプニングがある中、4位スタートの伊沢拓也(No.100RAYBRIG HSV-010)が抜群の好スタートで1位を奪い1コーナーへ。2位柳田と続いていく。
今季は期待が大きかったものの、なかなかチャンスに恵まれなかった伊沢。今季初勝利に向けて逃げたいところだったが、相手は2011王者の柳田。レース序盤は柳田優勢の展開で伊沢は防戦一方に追いやられる。こうしてトップ2台がバトルをしている間に3位アンドレ・クート(No.35D'STATION KeePer SC430)、4位ロイック・デュバル(No.1ウイダーHSV-010)、5位本山哲(No.23MOTUL AUTECH GT-R)が追いつき、5つ巴のトップ争いにスタンドのファンも釘付けになる。
何度か横に並ばれかけた伊沢だったが、なんとかトップを死守。タイヤが気になるレース後半では、逆に柳田を引き離す快走を見せた。
今年のJAFGP最後のレースということもあり、コース各所で激しいバトルが見られた。その中でも存在感を発揮したのが中嶋一貴(No.36PETRONAS TOM'S SC430)だ。3周目の100Rでデュバルと一歩も引かないサイドバイサイドのバトルを繰り広げると、終盤には4位クートを猛追。最終ラップで勝負をかけたが13コーナーでクートと痛恨の接触。最後の最後で後方に脱落してしまった。
そして、今週末最後のチェッカーフラッグが振られ、伊沢拓也が2009年以来となるSUPER GT(GT500クラス)優勝。チーム国光に移籍してからは、初の優勝となった。
念願の優勝を飾った伊沢は「最高です!クルマもタイヤも完璧で最後までプッシュしても何も問題がありませんでした。チーム国光に移籍して2年、皆には迷惑をかけていた部分もあったので、シリーズ戦ではありませんが、JAFGPで勝てて恩返しができたと思います。今日は国さん(高橋国光監督)から“いつも以上に攻めていけ!”と言われ、パートナーの山本やチームスタッフみんなのサポートのお陰で勝てました!」と、今回の優勝に対する想いを語った。
『記事:吉田 知弘』