フォーミュラニッポンの決勝が終わると、グリッド上にはホンダCR-Zが並べられ、往年の名ドライバーが集合。昨年も大好評だった「ENEOS SUSTINA LEGEND CUP」の決勝レースが行われた。
スタート前に、メインストレート上に集合し記念撮影を行ったドライバーたち。昨日のドライバーブリーフィングから同窓会のような和やかな雰囲気だったが、いざヘルメットを被ると現役時代を思い出したかのように真剣な表情になり、マシンに乗り込んでいった。
また、いつもはチーム監督としてレースに参戦しているGT、FNドライバーたちもグリッドに集合し、今度は「選手」として走る監督たちの応援に駆けつけた。
各ドライバーが乗り込んだホンダCR-Zの屋根には、それぞれの現役時代の写真がペイントされ、スタンドからも誰がどのマシンに乗っているのか?がすぐに分かるようになる他、往年の輝かしい頃を思い足したファンも多かったはずだ。
1周のフォーメーションラップが終了し、スタンディングスタートによる8周のレースがスタート。しかし36号車の舘信秀と82号車の寺田陽次郎がフライング。通常のレースならドライブスルーペナルティになるのだが、今回はエキシビジョンレースで往年のドライバーたちも、そして観戦しているファンも楽しむレースのため、レースコントロールから正式に通達された内容は「33号車と82号車はフライングでしたがこのまま行きます。あとで怒ります」という、レジェンドカップらしいレースコントロール。
この後も、1周目のヘアピンで舘信秀と2号車の土屋圭市が接触これに対する審議結果も「2号車は接触による修理代支払いのペナルティ」、この他にも「2号車は2回以上メインとレートで蛇行運転したため、場内清掃のペナルティ」が出た。
これには、スタンドでレース観戦していたファンも爆笑。真剣勝負でありながらもエキシビジョンらしい和やかな雰囲気となっていた。
また、普段は監督からレース中に指示を受けるドライバーたちも、サインボードに「GO↑」「スシ」「ニク」という冗談交じりの面白サインボードで、こちらも観客を沸かせた。
レースは、序盤でトップに立った長谷見昌弘を、10位スタートの中嶋悟が一気に追い上げ、最終ラップの1コーナーでモーターアシストの力を使ってトップを奪取。しかし、これでモーターアシストを使い切り、タイヤの消耗も進んだ中嶋は、ダンロップコーナーで再びトップを奪われ、高橋国光にも2位を奪われてしまった。
結局、長谷見が最後まで逃げ切り優勝。昨年は土曜第1レースのスタート直後にクラッシュしてリタイヤという悔しい結果だっただけに、マシンを降りた時は満面の笑みを見せていた。
レース後、スタンドのファンからも関係者からもたくさんの笑顔が見られ、レースが終わった直後にも関わらず「来年もレジェンドカップをやってほしい」という声が上がっていた。
『記事:吉田 知弘』