GT300の決勝に引き続き、この日はGT500の決勝第1レースも行われた。GT300同様にドライバー交代なしの22周勝負で行われた。
スタートからポールポジションのロニー・クインタレッリ(SRoad MOLA GT-R)が好発進トップで1コーナーを駆け抜けると、徐々に後続を引き離し、シリーズ戦から続く好調ぶりをアピールした。一方、2位スタートの大嶋和也(ENEOS SUSTIN SC430)がペースが上がらず後退していくなか、午前中のフォーミュラニッポン予選でポールポジションを獲得したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(カルソニックIMPUL GT-R)が2位に浮上すると、少しずつペースを上げ、クインタレッリに接近。15周目に追いつき、今季5勝挙げた日産GT-R勢同士デッドヒートが始まった。
必死に逃げるクインタレッリを必死で追いかけるオリベイラ。GT500クラスならではの緊迫した限界ギリギリのバトルが展開され、スタンドのファンも2人のバトルに釘付けになる。
トップ争いがGT-R同士で白熱している中、3位のアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SC430)に4位脇阪寿一(D'STATION KeePer SC430)が急接近。先日のモータースポーツジャパン2011で「アンドレと勝負がしたくて、自分も土曜日(第1レース)にエントリーしました!」と、昨年までのチームメイト同士の直接対決を望んでいた脇阪。その願いが実現し、トップ争い以上に白熱する3位争いが始まった。
どのコーナーなど関係なく、チャンスがあれば攻めていく脇阪に対し、逃げるロッテラーもタイヤが消耗した厳しい状況の中で、フェアに応戦。終盤の数周はスタンドからも拍手が沸き起こるなど、サーキット全体が元チームメイト同士のバトルに注目した。
2人のバトルは最終ラップまで続き、残り半周のヘアピンで出来たわずかなチャンスを掴んだ脇阪が3位を奪取。13位スタートから怒涛の10台抜きで、嬉しい今季初表彰台を獲得した。
また優勝争いは、最後までトップを守り続けたロニー・クインタレッリが優勝。2位がオリベイラとなった。
『記事:吉田 知弘』