午後に入り、いよいよJAFGP最初の決勝レース、GT300クラス第1レースが始まった。
今回は、シリーズ戦とは異なりGT500・GT300を別々に開催。さらに土日の2レース制して、それぞれのドライバーが各レースを担当。レース中のドライバー交代は禁止という特別戦ルールで22周のガチンコ勝負がスタートした。
第1レースのポールポジションは平中克幸(JIMGAINER DICXEL DUNLOP 458)、2位に谷口信輝(初音ミク グッドスマイルBMW)というチャンピオン争いをした2台がフロントローに並び、注目が集まった。
グリッドに静止した状態からスタンディングスタートを切った18台のGT300マシン。好スタートを切った谷口が1位で1コーナーを通過していく。一方、トップを奪われた平中はペースが上がらず、後方へ沈んでいってしまう。
平中の変わりに上位に上がってきたのが、3位スタートの藤井誠暢(HANKOOK PORSCHE)が2位に浮上、3位争いは関口雄飛(JLOCランボルギーニRG-3)、佐々木孝太(R&D SPORTS LEGACY B4)、平中克幸(JIMGAINER DICXEL DUNLOP 458)を中心に毎周激しいバトルが展開され、6周目にはプリウスコーナー手前で3ワイドになるなど、JAFGPならではのガチンコ勝負が繰り広げられる。
しかし、スプリントレースで頑張りすぎた佐々木が、タイヤの消耗が進み緊急のタイヤ交換となるなど、明暗が分かれる3位争いとなった。後続のマシン同士がバトルをしている間に、トップの谷口は2位以下を7秒以上引き離す独走態勢を築く。
このまま、シリーズ戦同様に谷口の独走優勝が確実かと思われたレース終盤、こちらもタイヤの消耗が原因でペースが落ち始める。一方追いかける側の2位藤井も、初音ミク号攻略に向け、必死にペースを上げ、ついに最終ラップで7秒あった差がゼロに。そして最終ラップの最終コーナーで藤井が逆転を果たし、最後の長いメインストレートに帰ってきたが、直線スピードには自信がある初音ミクBMW Z4、そしてグランドスタンドで応援する個人スポンサーの方々の力にも後押しされ、チェッカー直前で谷口が再逆転を果たし、第1レース優勝。
まさに、スプリントレースならではの、最後の最後まで分からない大激戦となった。
レース後、パルクフェルメに帰ってきた谷口は、「ソフト側のタイヤを選択して、労わりながら走って最後まで持たせる作戦だったのですが、最後はギリギリでした。」と、ホッとした表情を見せていた。
『記事:吉田 知弘』