このレースでチャンピオンが決まる大一番となったSUPER GT第8戦もてぎ250kmレース。その予選が15日、ツインリンクもてぎで行われた。
今年もチャンピオン決定の舞台となるツインリンクもてぎは、早朝から大雨に見舞われ、フリー走行から多くのマシンがコースオフ。予選でも赤旗が2回出る波乱に見舞われた。
ノックアウト方式で行われた最終戦の予選。雨ということ、そして最終戦限定の全車ウェイトハンデをゼロに戻すルールにより、特にGT500は波乱の予選となった。まず予選Q1ではNo.36PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー/中嶋一貴)が姿を消し、Q2ではNo.6ENEOS SUSTIN SC430(伊藤大輔/大嶋和也)がトラブルで出走できず、No.1ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)もコース上でストップしてしまうなど、こちらもQ2で姿を消す事になる。
上位7台のみで行わせたQ3では、雨コンディションということもあり、No.46SRoad MOLA GT-R(柳田真孝/ロニ-・クインタレッリ)とNo.39DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)の激しいタイムアタック争いが展開されたが、チャンピオンに王手をかけたMOLA GT-R柳田が渾身のタイムアタックを決め、1分54秒662で今季3度目のポールポジションを獲得。2位のデンソーサードSC430(石浦)に対し、0.8秒の大差をつけるポールポジションとなった。
一方、MOLA GT-Rを16ポイント差で追う、ランキング2位のNo.23MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)は5位となり、決勝に向けてMOLA GT-Rが有利な展開になりそうだ。
GT300クラスは、Q1からランク2位のNo.4初音ミク グッドスマイルBMW(谷口信輝/番場琢)が絶好調。Q1、Q2、Q3の全てでトップタイムをマーク。特に最終Q3ではエース谷口が毎周に渡ってタイムを更新し続ける激走をみせ、今季3度目のPPを獲得した。
2位は初音ミクBMWを5ポイントリードしているランク首位のNo.11JIMGAINER DICXEL DUNLOP 458(田中哲也/平中克幸)がつけ、GT300はチャンピオン争いをする2台がフロントローに並ぶ展開で、明日の決勝レースがスタートする。
GT300の場合は、優勝したチームが無条件でチャンピオンを獲得する。明日の決勝レース、1コーナーをどちらのマシンが先に通過するか、非常に楽しみだ。
明日の決勝レースは、14時から53周で争われる。
【ポールポジション記者会見】
■GT500クラス■
ポールポジション:No.46SRoad MOLA GT-R(1分54秒662)
柳田真孝
「ロニーがQ1・Q2で頑張ってくれたので、その期待に応えたかった。アタック中は最終コーナーのタワーボードで順位を把握できるのですが、見たら油断すると思って、見ないようにしてアタックを続けました。“チャンピオンに向けて”というレースになりますが、あまりチャンピオンという事を考えずに、このレースを勝つということに集中して明日を迎えたいと思います。」
ロニー・クインタレッリ
「Q3の最後は雨量が増えて少し心配だったけど、PPに関しては自信があったから、問題なく獲れると思っていた。今日で雨のデータは十分にとれたけど、明日いきなりドライになった時にどうなるかが気になるね。」
■GT300クラス■
ポールポジション:No.4初音ミク グッドスマイルBMW(2分04秒356)
谷口信輝
「我々のマシンは雨になると不利になる傾向になるので、あまり嬉しくない土曜朝でしたが、フリー走行で走り出してみると、ヨコハマタイヤさんのタイヤが素晴らしいグリップ力を発揮してくれて、感触がとても良かった。だから、“今日は絶対にポールを獲得する”という意気込みで予選に挑みました。明日の逆転ドラマに向けて準備が着々と出来上がり始めてきた感じです。明日はスタートから一度もトップを譲ることなく逃げ切ります。」
番場琢
「前回のオートポリスからチームとミーティングを重ね、並々ならぬ意気込みで今週末を迎えました。走り始めからタイヤがすごくグリップしてくれ、予選でもメカニックやチームスタッフ全員の力でPPを取る事ができました。個人スポンサーの皆様も雨の中たくさん応援に来てくださり、チームの雰囲気も盛り上がっています。明日は絶対に抜かれないレースをしたいです。」
いよいよ明日、2011のSUPER GTシリーズチャンピオンが決定する。GT500もGT300も、誰がチャンピオンになるのか?本当に最後の最後まで分からない。
是非、注目していただきたい1戦だ。
『記事:吉田 知弘』