チャンピオン決定の舞台となる可能性が高い鈴鹿サーキットでは、土曜日の公式予選が行われ、あと1ポイントで王座決定となるセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、1分30秒466でポールポジションを獲得した。
昨日に引き続き、快晴に恵まれた鈴鹿サーキットでは、午後2時から予選がスタート。気温23℃、路面温度32℃でドライコンディション。
ノックアウト方式の予選第1ラウンド(Q1)から、波乱が起き、ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)がマシントラブルで出走できず、ノータイムでマシンを降りる事となってしまった。
上位17人がQ2へ進出できるQ1では、多くのドライバーがハード側のプライムタイヤ(白色ロゴ)でタイムアタックを行っていたが、今回母国GPとなる小林可夢偉(ザウバー)は、ソフトタイヤを早々と使用。1分32秒626でQ1トップ通過を果たす。
母国日本での活躍に注目が集まっていた可夢偉だが、フリー走行ではタイム的に元気がなかった。しかし、このQ1で目が覚めるような素晴らしい走りを見せ、満席に埋まった観戦スタンドも沸き立った。
続く、Q2でも可夢偉の走りに注目が集まった。
6戦ぶりのQ3進出をかけ、タイムアタックに出かける小林可夢偉。各車1回目のアタックを終了し、12位と進出圏外だったが、ファンの大きな声援にも後押しされ、1分32秒380を記録。最終的に10位でQ3進出を果たす。
最近は流れが良くなかった可夢偉だが、母国のファンの前で見事Q3進出を果たし、この予選で一番の盛り上がりをみせる。
選ばれた10人のみが出走を許される最終のQ3。グリーンシグナルと同時にコースインしたのは小林可夢偉。ハード側のタイヤでタイムアタックを行おうとするが、チームの指示で計測終了前にピットに戻った。
2011年の鈴鹿ポールポジション争いは、レッドブル、マクラーレン、フェラーリの3チーム6台による激しい攻防戦。その中でもチャンピオン獲得に王手をかけているセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が、1分31秒139を記録。最終的に2位バトンを0.009秒上回る形となり、3年連続で鈴鹿ポールポジションを獲得した。
また、7位シューマッハ、8位セナ、9位ペトロフ、10位可夢偉がQ3ノータイムだったが、規定により計測終了はしていないものの、タイムアタックの周回に入っていた可夢偉がグリッド優先権を獲得し、決勝は7位スタートになることが発表された。
『記事:吉田 知弘』