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F1日本GPプレビュー(1):8年ぶりに鈴鹿でチャンピオン決定の瞬間が見られる!?

ファイル 428-1.jpg
[2010年F1日本GPのスタートシーン]


いよいよ、多くのF1ファンが待ちに待った「第15戦F1日本GP」が開幕する。
毎年、多くのドラマが生まれ、そしてF1の歴史でも必ず語られる鈴鹿でのF1日本GPも、今年で23回目を迎える。

観戦塾では全2回に分けて、2011F1日本GPの見どころをお伝えする。
まず前半となる今回は、気になるチャンピオン争いの行方や、今年の鈴鹿全体での見どころをご紹介しようと思う。

【ベッテルV2まで、あと1ポイント!8年ぶりに鈴鹿でチャンピオン決定!?】
今季は、序盤から史上最年少でチャンピオンを勝ち取ったセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が圧倒的な速さをみせ、ここまで9勝を挙げている。
前回シンガポールGPでは、惜しくも2年連続のチャンピオン決定とはならなかったが、その分、鈴鹿でのチャンピオン決定の確立が高くなり、今週末のレースを迎える。

ここ鈴鹿で決まれば、2003年のミハエル・シューマッハ(当時フェラーリ)以来、8年ぶりにワールドチャンピオンが鈴鹿で決定する事になる。
かつては、ほぼ毎年でチャンピオン決定の舞台となっていた鈴鹿で、久しぶりに歴史的瞬間を見ることが出来るかもしれない。

気になる、ベッテルのチャンピオン決定条件は以下の通り。
『10位以内でフィニッシュすれば、無条件でチャンピオン決定。』

ここ鈴鹿では、2009年、2010年と2連勝と、鈴鹿を得意としているベッテルとレッドブルチーム。よほどのことがない限り、チャンピオンが決定することになるが、“チャンピオンを確実に獲得するために”10位以内に入るという「守り」のレースで1チャンピオンが決まるのも、観ているファンにとっても物足りない部分もあり、また彼自身のプライドも許さないだろう。

今年は、各レースでライバル達を圧倒し、TV中継の画面にベッテルの姿が映らなくなるほど独走するレースが多かった。今季は彼が強すぎて面白くなかったという意見もあるが、このタイトル決定がかかった鈴鹿では、守る走りをするのではなく、53周の決勝をとことん攻めきり、2位以下に大差をつける“王者ベッテル”というレースを見せつけてほしい。

今回は、どんな形でベッテルがチャンピオンを決めてくれるのか?ここに注目だ。


【抜けない鈴鹿でオーバーテイクバトルが実現!?】
ここ鈴鹿は、コース幅が狭く、全体的に旋回速度の高いコーナーが多いため、なかなかオーバーテイク(追い抜き)が観られないコースとしても有名。そんな中で、昨年は小林可夢偉(ザウバー)が、ヘアピンという大穴ポイントに目をつけ、抜きにくい鈴鹿で5度のオーバーテイクを決めたことは、記憶に新しい。

今年も、彼のオーバーテイクショーに期待がかかるが、今年から新しく導入された「KERS(ブレーキ回生エネルギーシステム)」と「DRS(可変リアウイング)」の効果により、全体的に、追い抜きバトルが増える可能性が高い。

★★KERSとは?★★
ブレーキ時の熱エネルギーを利用し、マシン内の専用バッテリーへ充電。それを、ドライバーのスイッチ操作で、エンジン+αのエネルギーとして使用することが出来る。パワーは通常時より、約80馬力アップ。1周につき、約6.6秒間の使用が許されている(使う場所は自由)

★★DRSとは?★★
リアウイングの可動式にし、追い抜きの際に邪魔になる「空気抵抗」を一時的になくし、直線スピードを伸ばすシステム。
コース内の決められた計測区間で前のマシンとの間隔が1秒以内であれば稼動区間で使用可能となる。(決勝レーススタート後、3周目から使用可)

■今回鈴鹿でのDRS区間■
130R出口から計測区間、シケイン出口から稼動区間

これにより、今年は各レースでオーバーテイクの機会が増え、毎回白熱したバトルが展開されている。おそらく抜きにくい鈴鹿でも、大きな効果を発揮し、各コーナーで例年以上に接近戦やオーバーテイクシーンが何度も観られるかもしれない。


【気温も例年より低い鈴鹿、タイヤへの影響は?】
今年からタイヤメーカーがピレリタイヤに変更され、各チームのタイヤの扱い方に注目が集まっているレースが多い。タイヤ交換の回数も平均で2~3回行って、ゴールを目指すパターンが、今季の主流だ。

ここ鈴鹿は、タイヤへの負担が大きく、特に例年の決勝レースでは気温・路面温度も上昇し、タイヤに対して非常に厳しいコンディションになる。当初の予想では3回か4回の交換作戦を選ぶチームが大半を占めるのではないかと予想されていた。
しかし、いざレースウィークになり、最新の天気予報を確認してみると、雨は降らないものの気温も最高で23~25℃(各日)と、例年より約4~5℃低い予報。おそらく路面温度も大きく予想を下回る事が予想される。

今回は、柔らかいソフト(オプション)側のタイヤをソフト(ロゴが黄色)、硬いハード(プライム)側をミディアム(ロゴが白色)と、2種類のタイヤを用意したピレリ。当初の予想よりもタイヤが長持ちし、ピット回数を減らす作戦を組んでくるチーム・ドライバーも現れるかもしれない。

前述の通り、普段はオーバーテイクが難しい鈴鹿。その分、レース戦略など「チーム力」も問われてくるのが鈴鹿でのレースでもある。
今回は、例年とは違う天候・路面コンディションの中で、初の鈴鹿でのピレリタイヤがどんなパフォーマンスを発揮するのか?目が離せない。


次回の後編では、母国レースを迎える小林可夢偉について、今回のレースで注目していただきたいポイントをご紹介する。

『記事:吉田 知弘』