晴天に恵まれた富士スピードウェイで、S-GT第6戦富士の決勝レースが55周で行われ、GT500クラスはNo.38ZENT CERUMO SC430（立川祐路／平手晃平）、GT300クラスはNo.4初音ミク グッドスマイルBMW（谷口信輝／番場琢）が優勝を飾った。

午後2時から行われた決勝レース。今年は雨に見舞われるレースが多かったSUPER GTだが、今週末の富士は晴天に恵まれた。スタート前に厚い雲がコース上空を覆ったが、結局レース終盤まで雨が降る事はなかった。

GT500クラスは、中団グループで毎週に渡って激しいオーバーテイク合戦が繰り広げられる白熱したレースとなった。その中でも、スタートから飛び出したNo.39DENSO SARD SC430（石浦宏明／井口卓人）とNo.38ZENT CERUMO SC430（立川祐路／平手晃平）のレクサス勢による一騎打ちの争いとなった。

スタートから安定した速さで逃げるサード石浦にセルモ平手がぴったりと付いていく展開。前半は大きな展開の変化はなく、後半のサード井口、セルモ立川の一騎打ちとなった。今季からGT500にステップアップした井口にとっては大仕事を任された後半戦。しかし調子も良く2位立川を引き離す好走をみせる。一方の大ベテラン立川は、終盤までチャンスがくるのをまち、ひたすら井口を追い続けた。

そして、レースも残り5周に差し掛かったところで、井口のペースがダウン。そこを狙ったかのように立川も猛プッシュをかけ、残り3周のコカコーラコーナーで井口を攻略し、そのままトップチェッカーを受けた。

立川にとっては2009年第2戦（鈴鹿）以来の勝利で、平手はGT500初優勝。そして何より今シーズン苦しみ続けたレクサス勢が、初の勝利を獲得するレースとなった。
優勝の瞬間、ピットのプラットホームで平手は泣きながらスタッフと抱き合い喜びを爆発させ、パルクフェルメでインタビューを受ける立川も目が潤んでいた。

GT300クラスは、90kgのウェイトハンデと性能調整で制限が強くなったNo.4初音ミク グッドスマイルBMW（谷口信輝／番場琢）がポールポジションでレーススタート。さすがにウェイトハンデが厳しかったのか、序盤で予選2位のNo.26Verity TAISAN Porscheの松田秀士に追い詰められるシーンがあったものの、エースの谷口がなんとか凌いで、トップを死守。そこからは2位以下を引き離す独走劇をみせた。
後半、ステアリングを託された番場も序盤の接触時にミラーが破損、ブレーキにも不具合が出るという厳しいコンディションの中だったが、安定した走りで2位以下との差を広げ、見事GT300で今季2勝目を勝ち取った。

『記事：吉田 知弘』