いよいよ開幕まで3日を切った2011ポッカGTサマースペシャル。
今年も、GT500、GT300の両クラスで手に汗握るバトルが、毎戦展開されている。
SUPER GTの場合、シーズン中盤になると上位入賞するたびに増えていく「ウェイトハンデ」のルールにより、各チームによって“シリーズチャンピオンを見据えた戦略”が重要視されてくるレースで、特にこのポッカGTでは、各チームの思惑が交錯するレースになってくる。
プレビュー(1)2011年のポッカGT紹介
http://www.kansenzyuku.com/circuitdiary/diary.cgi?no=366
【GT500クラス(1):今季絶好調の鈴鹿でもSRoad MOLA GT-Rが有利か?】
現在のランキング首位は、今季からGT500にステップアップしてきたNo.46SRoad MOLA GT-R(柳田真孝/ロニ-・クインタレッリ)。特に前回のSUGOでは、季節外れの涼しいコンディションとなり、気温が低いレースでは不利と予想されていたミシュランタイヤが、逆に大きな武器となって、同クラス初優勝を飾った。
レース後の記者会見で柳田は「ミシュランタイヤは気温の高いレースで強さを発揮するので、ウェイトハンデが厳しくなるが鈴鹿では価値を狙いたい」とコメント。今回、82kgのウェイトを積んで500kmレースに挑む事になるが、コンディション次第では上位に食い込んでくる可能性も十分ありそうだ。
そして、この46号車を中心に、今年は日産GT-R勢が大活躍。4戦中3勝を挙げている。特に岡山ラウンドで勝利して以来、不運なレースが続いているNo.12カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、ウェイトも軽く戦闘力が高いため、優勝候補として名乗り出てくる可能性は十分にありそうだ。
【GT500クラス(2):ホームレースを迎えるホンダ勢、得意の鈴鹿で逆襲を狙う】
昨年のチャンピオンメーカーであるホンダ勢にとって、鈴鹿でのSUPER GTは“ホームレース”。今年は「最速・最強」といわれた「HSV-010」にさらに磨きをかけ、タイトル防衛を誓っている。7月に鈴鹿で行われたタイヤテストでも、No.1ウイダーHSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)がトップタイムを記録。No.100RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)も好タイムを連発し、良い感触を得た状態で、今週末の鈴鹿に挑む。
昨年はNo.8ARTA HSV-010が優勝、第3ドライバーとして大抜擢された小林崇志が、デビュー戦でポール・トゥ・ウィンを飾るというドラマがあった。
今シーズンは日産勢に先行され続けているが、ホームの鈴鹿では何とか勝利を手にしたいところだ。
【GT500クラス(3):今季未勝利のレクサス勢。鈴鹿での活躍に期待!】
今シーズン、まだ勝ち星がないレクサス勢。2007年には脇坂/ロッテラー組みのトムスSC430、2009年には石浦/大嶋組のクラフトSC430が優勝しており、決して相性の悪いレースではない。特に暑いコンディションでは定評のあるミシュランタイヤを装着するNo.39DENSO SARD SC430(石浦宏明/井口卓人)は、ウェイトハンデも40kgと、上位陣から比べると軽い。さらに石浦は、一昨年のポッカGTを制しており、真夏の鈴鹿で勝つ方法を知っている。週末は39号車の走りも目が離せない。
次回は、GT300クラスの見どころを取り上げていく予定だ。
『記事:吉田 知弘』