7月31日(日)夏とは思えないほどの肌寒い日となったスポーツランドSUGOで、SUPER GT第4戦SUGO250km Raceが行われ、GT500クラスはNo.46SRoad MOLA GT-R(柳田真孝/ロニ-・クインタレッリ)、が優勝を飾った。
3月に起きた東日本大震災の影響で、当初は開催も危ぶまれたSUGO戦だったが、予定通りの日程で開催。SUPER GTは、今季全てのレースを「東日本大震災復興支援大会」と位置づけ、“がんばろう!日本”を合言葉に、レースを通して被災地の人々に元気を届け続けてきた。そして今回、宮城県にあるスポーツランドSUGOには27000人ものファンが来場。また、被災者500人を特別招待し、決勝スタート前にはアンドレ・ロッテラー(No.36PETRONAS TOM'S SC430)が、選手を代表して挨拶をした。
そして、午後2時から行われた決勝レース。よく「SUGOには魔物が潜んでいる」と言われるほど、レースが荒れることで有名だが、今回も波乱続きのレースとなった。
GT500クラスは、昨日の雨予選で驚異的なタイムを記録したNo.46MOLA GT-Rがスタートから独走。レースの3分の1にあたる22周目には、2位No.39SARD SC430に対し11秒の大量リードを築いた。一方、現在ランキング上位のNo.23MOTUL AUTECH GT-RやNo.1ウイダーHSV-010は、ウエイトハンデの影響もあり苦戦。逆にNo.39DENSO SARD やNo.32EPSON HSV-010など、今季低迷していたチームが上位争いをする展開となった。
結局、ピットインのタイミングでNo.6ENEOS SUSTIN SC430に一度首位を譲ったものの、それ以外は全く危なげない走りをみせたMOLA GT-Rが、トップでチェッカーを受けた。一昨年まではGT300クラスで参戦、1年の充電期間を経て、満を持して参戦したGT500の第4戦で、見事初優勝を飾った。
優勝者インタビュー
No.46SRoad MOLA GT-R
ロニー・クインタレッリ
「特にレース後半は、物凄く長かった。クルマの調子も凄く良くて、スタートから主一揆プッシュできて、レース中のミスもなく、ドライバー交代なども全て上手くいった。(ピット戦略については?)スタート前から、出来るだけ長く引っ張ろうという話はしていた。最初はタイヤが持つか不安だったけど、ピットインの直前までタイムも安定していて、良かった。(ミシュランタイヤは暑さに強いと言われている中、今回は気温・路面温度が低いレースになりましたが、その辺については?)サーキット入りする前は、こんなに路面温度が低い週末になると思っていなかった。正直、スタート前(路面温度25℃)に、“このタイヤで上手くいくか?”と本当に不安だったけど、いざ走り始めたら驚くくらいグリップしてくれて、満タンでも速く走れた。タイヤの仕事は本当に予想以上だったね。ミシュランに感謝したい。」
柳田真孝
「(まずGT500初優勝しての率直な感想は?)いやぁ、本当に長かったです!こうして勝てたことに、今まで支えてくれた日産ニスモの関係者の皆さん、僕を応援してくれている全ての人に感謝したいです。今日のレースはロニーが大量リードを築いてくれて、リスクもなく、バトルもない状況下で走るだけでした。ただ単独走行な分、集中力を切らさないように走るのが難しかったです。今日勝てたことで、チャンピオンシップも優位に立てましたし、我々は、真夏の3連戦(セパン、SUGO、鈴鹿)は全部勝ちを狙って行けるぐらいのパフォーマンスがあると思うので、次回以降ウエイトがキツくなりますが、鈴鹿でもチャンスはあると思います。」
『撮影:SHIGE』
『記事:吉田 知弘』