いよいよ、今年も“8耐の季節”がやってきた。
今週末の7月28～31日、鈴鹿サーキットを舞台に真夏の2輪耐久レース「“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第34回大会」が開催される。
そこで今回は、34回目を迎えた“真夏の祭典”鈴鹿8耐の見どころをご紹介していこうと思う。
【史上初“夜間走行のない8耐”】
今年で34回目を迎える8時間耐久ロードレースは、東日本大震災による電力不足を配慮し、10時30分からスタートし、8耐史上初の“夜間走行がない8耐”となる。このレースの名物でもある「夜間走行」がないというのは、8耐ファンにとっては残念な事だが、逆に今までと異なり「昼間での“スプリント耐久レース”」という展開が期待され、例年にない過酷で波乱の多いレースになるかもしれない。
毎年、数多くのドラマ生まれる真夏の8時間耐久ロードレース。灼熱の中を必死に走り続けるライダー、それを支えるチームスタッフ、そしてスタンドから応援するファンにとって、「夏の思い出」となるレースだが、今年は長い8耐の歴史の中でも、特別な意味を持つ大会になるかもしれない。
【今年もSKE48が8耐を全力応援！前夜祭ではチームEが全員集合】
昨年から鈴鹿サーキットの「モータースポーツ応援団」としてレースを盛り上げてくれているSKE48が、今年も8耐を盛り上げる。決勝前夜に行われる「前夜祭」ではチームEの16人が全員集合。さらに、メンバーの代表が決勝レース前の国歌斉唱も担当する事になった。
5月14日（2011鈴鹿2＆4レース予選日）に行われた記者発表会にはチームEの木本花音さん、原望奈美さん、磯原杏華が参加し、8耐での活動について発表、また8耐を応援するための意気込みを語ってくれた。
木本花音
「私たちSKE48は、テレビやラジオ、ステージで8耐の魅力をPRしていきたいと思います！」
原望奈美
「ライブでは、皆さんと盛り上がって、そして元気を与えていければいいなと思います！」
磯原杏華
「私たちSKE48も、8耐をとても楽しみにしているので、皆さん是非観に来てください！」
今年も、彼女達が8耐をもっと盛り上げてくれるはずだ。
【“被災地を元気にしたい”伊藤真一がJSB1000に続いて鈴鹿8耐も参戦決定】
この発表会の日にも開催されていた全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに緊急参戦を果たしていた伊藤真一がF.C.C. TSR Hondaからの参戦が発表された。昨年いっぱいでJSB1000の引退表明をしていた伊藤だったが、3月の東日本大震災で自らも被災。地元の復興に向けて毎日奮闘している。その伊藤が「自分が走っている姿を見せることで、被災地に元気を送りたい」とJSB1000開幕戦に続き、鈴鹿8耐の参戦も決まった。
伊藤のパートナーとなるのは2010年のJSB1000チャンピオンである秋吉耕佑。今年の8耐は秋吉・伊藤組に注目だ。
伊藤真一選手
「突然、参戦ということになりました。ただ、このチャンスをいただいた事には本当に感謝しております。まだ被災地は大変な状況で過ごしている人が多いですが、被災者の方に勇気と元気を与えたいです。まさか、このタイミングで走るなんて思っていなかったのですが、精一杯頑張ります。」
【90年代の8耐を盛り上げた“チーム・シンスケ”も、16年ぶりに復活！】
現在、テレビ司会者として数多くの番組に出演している島田紳助氏。実は、彼が2輪チームを率いて1986年～1995年まで8耐に挑戦していたのをご存知だろうか。そのチーム・シンスケが16年ぶりに復活する。
6月に参戦決定を報告する記者発表会の席で紳助氏は「東日本大震災で被災された方々にを元気を届けたい」
ゼッケン27をつけて参戦を果たすチーム・シンスケ。マシンは「Honda CBR1000RR」、ライダーは中木亮輔選手と津田一磨選手。特に中木選手は宮城県出身で、彼も被災者のひとり。知人を介して紳助氏を紹介してもらい「8耐に出たい」とお願いしたことから、今回のチーム・シンスケ参戦が動き出した。
さらに今回は東北出身の芸人「サンドイッチマン」を中心に、メカニックとして、裏方スタッフとして、多くの芸能人がチーム・シンスケをサポート。
レース当日まで、満足のいく準備もできないままの参戦となるが、目標は「最高で15位」、そして「がんばりましょね～」を合言葉に、灼熱の鈴鹿に挑む。
この他にも、鈴鹿サーキットに“エヴァ旋風を巻き起こした”「エヴァンゲリオンRT初号機TRICK☆STAR」も参戦。現地に行く方は、是非お気に入りのチーム・ライダーを見つけてもらい、真夏の暑さに負けないくらいの声援を送ってほしい。
この他にも、今年は「もっと多くの人に8耐の素晴らしさを知ってもらいたい。もっと多くの方に8耐でしか味わえない感動と興奮に触れてもらいたい」と様々な観戦スタイルに合わせた観戦チケットやイベントが用意されている。
東日本大震災の影響で、大会内容にも変更点が出るなど、いくつか影響が出た今年の鈴鹿8耐。しかし、レース内容が変わっても「参戦者全員が、過酷な“真夏の鈴鹿”と戦い、どんなに苦しい状況でも8時間走り切ること、優勝する事を諦めずに走る」チーム・ライダーたちの情熱は、今年も絶対に変わる事はない。
今年の8耐は、ファンの人も、そうででない人も“絶対に見逃せない”8時間になるはずだ。
『記事：吉田 知弘』
