昨日の幕張でのデモ走行に引き続き、震災で被災した日本に元気を与えるべく、レッドブルチームによるデモ走行「Red Bull for Japan」のメインイベントとなる横浜・元町ショッピングストリートでのデモ走行を開催された。
6月5日、好天に恵まれた横浜・中華街近くの元町ショッピングストリートには、このイベントを楽しみにしていたF1ファンが早朝から集結。観覧エリアの場所取りは前日深夜から始まっていたとの事。
今回は公道を使って、警察指導の下で開催されたデモ走行イベント。そのため、朝9時スタートという非常に早い時間でのイベントスケジュールとなったが、レッドブルのF1マシンが横浜の街中を疾走する姿を一目見ようと、11000人のファンが来場した。
午前9時から始まったイベントでは、まず担当ドライバーのセバスチャン・ブエミが専用車両に乗ってパレード。朝早くから待っていたファンに笑顔で手を振り、声援に応えた。
全長約600mの石畳の道を2往復する予定だったが、予想以上に多くのファンが集まり、イベント進行に支障が出たため、急遽1往復のみでの走行となった。
デモ走行を楽しみにしていたファンからは、残念がるため息も漏れたが、「このイベントを実現してくれた元町ショッピングストリートの皆様に感謝したい。日本に来れた事は、本当に嬉しい事。今日は楽しんでもらいたい」と、1回のみの走行になってしまった分、気合を入れてコックピットに乗り込んだブエミ。
林横浜市長がロリポップでスタートを合図を出すと、ブエミの駆るレッドブルF1マシンは勢いよく発進。たった1往復だけの走行だったが、狭いショッピングストリートを可能な限りスピードを出して、迫力ある走行を披露してくれた。
そんな迫力の走り、体全体に伝わるエンジン音を目の前で感じたファンからは、思わず大きな歓声が沸き起こり、中には感動のあまり涙するファンもいた。
ショッピングストリートの一番奥でUターンしたブエミは、復路でもF1マシンの迫力を十分に見せ付ける走行を披露。チェッカーを受け、走行が終わると、誰が始めた訳でもなく、大きな拍手で会場が包まれた。
一部のエリアでは「もう一度観たい!」という思いから、アンコールも起こったが、公道でのイベントで時間の都合上、残念ながら2往復目の走行は実現ならなかった。しかし、日本初の公道でのF1走行は見事成功に終わり、多くのファンが満足した表情で、ブエミを見送った。
「自分達が出来る事を精一杯やって、日本に少しでも笑顔を届けたい」
レッドブルチーム、そしてセバスチャン・ブエミの願いが、本当に日本に届いた瞬間だった。
『記事:吉田 知弘(ビギナー観戦塾)』