AUTOBACS SUPER GT第1戦『OKAYAMA GT 250km RACE』の決勝レースが、5月22日、岡山県・岡山国際サーキット(1周3・703km×68周)で行われた。レースは予選2位のカルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が、逆転で優勝を果たした。
午前中は強い雨が降り、フリー走行が中止なった岡山国際サーキットだったが、お昼前には雨は上がり、路面はドライコンディションとなった。
決勝レースは定刻の14時にスタート。レース序盤はポールポジション(予選1位)のKEIHIN HSV-010(金石年弘)と同2位のカルソニックIMPUL GT-R(オリベイラ)が後続を引き離して、マッチレースの様相となる。
その差2~3秒で推移していた両者の均衡を崩したのは、ピットインだった。
まずは29周目にトップのKEIHIN HSV-010がピットに入る。それを見たカルソニックのピットは、すぐ次の周にGT-Rをピットに呼び込む。そして、素早いピットワークでカルソニックIMPUL GT-Rをコースに戻すと、KEIHIN HSV-010はその後方となっていた。
これでトップに立ったカルソニックGT-R(松田)だが、KEIHIN HSV-010(塚越広大)も追い上げる。24歳の若い塚越はGT-Rの背後まで迫るが、ベテラン松田の巧みなブロックに苦しめられる。塚越はそれに気が急いたのか、GT-Rに接触して双方がスピン。立て直しの早かった塚越がトップとなるが、この接触でペナルティを受けてしまうことに。これで難なくカルソニックIMPUL GT-Rがトップとなり、そのまま松田が逃げ切って優勝した。
日産GT-Rは、前戦富士大会に続いて今季2勝目、SUPER GTとその前身である全日本GT選手権で通算30勝目(スカイラインGT-R含む)を挙げた。
なお、第1戦岡山大会の決勝レースは4月3日に行われる予定だったが、東日本大震災の影響でこの日に延期され、5月1日決勝の第2戦富士が先行して行われた。また、レース距離も当初の300kmから250kmに短縮された。
GT300クラスでは、予選2位のtriple a Vantage GT2の吉本大樹/星野一樹組がポールポジションのフェラーリを抜いて、チーム初優勝を飾った。また、英国車のアストン・マーティン ヴァンテージもSUPER GTでの初勝利となる。
(観客:1万5000人)
■優勝選手コメント
No.12 カルソニックIMPUL GT-R [GT500]
松田次生
「開幕戦の富士を落としていたので、今回は、何が何でも上位入賞してポイントを持って帰ろう、と思っていました。昨日の予選では17号車(KEIHIN HSV)が飛びぬけた速さを見せていて、正直言ってあの(17号車の)前に行くのは難しいな、と。でもJP(=チームメイトのジョワオ・パオロ・デ・オリベイラ選手)が2位で戻ってきて、それでチームも最高の仕事でトップで送り出してくれた。皆の力が一丸となっての優勝だけに、気分は最高です」
ジョアオ・パオロ・で・オリベイラ
「前回の富士では自分の間違いでレースを終え、1ポイントも獲ることができなかった。その直後のレースで、トップに立つことができ、最高にハッピーです。序盤は何とか17号車についていって、ピットインのラップには(先に17号車がピットインしたために)前がクリアーになり、目一杯プッシュしました。次回は私の大好きなセパンで、今回優勝して、そのマレーシアに行くことになり、モチベーションも最高です」
No.66 triple a Vantage GT2 [GT300]
吉本大樹
「開幕戦では僕自身の無駄な頑張りで全てをふいにしていたので、今回は是非ともリベンジを、と思っていましたし、富士でも速さは確認できていて、今回に対する自信もありました。走り始めは、マシンの状態が良くなかったのですが、走るたびに少しずつ良くなって、まるでここ(=決勝での優勝)から逆算したかのように、タイムも上がってきました。レースの途中、まるで僕が単独スピンしたような映像が(モニターに)流れたと思いますが、実は他のマシンにぶつけられてのスピンでした。一樹(=チームメイトの星野選手)は、1勝するのが目標だったと言いましたが、実は1シーズン2勝、というのが本当の目標で、セパンでもセーブすることなく全開で行きます」
星野一樹
「先ず最初に、今回の優勝を、被災地の皆さんにささげようと思います。シーズンオフには、レースに出れるかも分からなかったのですが、チームから声掛けてもらって移籍し、その2レース目で優勝できるなんて、本当に幸せです。チームにもありがとうございました、と言いたいです。シーズン初めには、何とか1勝を、と強烈に思っていて、それが叶った今は、正直(次戦以降の)目標とかは全く頭にありません。(次戦以降の目標は)今晩、ゆっくり寝てから考えます」
[撮影:SHIGE]
[記事:GTアソシエイション]