今週末の5月14・15日。国内レースでは毎年恒例となった「鈴鹿2&4レース」が今年も開幕する。今年はフォーミュラニッポン開幕戦と全日本ロードレース選手権開幕戦が、同日開催される。
当初は、4月16・17日に開催される予定だったが、東日本大震災の影響を考慮し、今週末に延期される事になったが、予定通りフォーミュラニッポン&全日本ロードレースの「2&4レース」としての開催が決まった。
今回から数回に分けて、今年の鈴鹿2&4レースの見どころや、現地観戦情報をお伝えしていく。
まず第1回は、フォーミュラニッポン開幕戦の見どころをお伝えしていく。
【中嶋一貴が国内レースに復帰!弟・大祐との“中嶋兄弟対決”が実現】
今年のフォーミュラニッポン最大のニュースと言えば「中嶋一貴の参戦」だ。
2008・2009年とウィリアムズチームからF1にフル参戦を果たし、何度かポイント獲得をしてみせる活躍をした一貴が、久しぶりに日本のファンの前でレースをすることになる。
さらに、今年は彼の弟である大祐も、父が監督を務める『NAKAJIMA RACING』から参戦する。こちらも昨年までイギリスF3で活躍してきたドライバー。父が監督としてレースを見守る中で、「中嶋Jr.同士による兄弟対決」が、ついに実現する事になった。
二人とも、これまでのレース実績などは異なるものの、フォーミュラニッポンでレースをするのは初めて。どんなシーズンになっていくか、今から楽しみだ。
【FN史上大激戦となるレースを見逃すな!】
昨年、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(IMPUL)の逆転チャンピオンで幕を閉じたフォーミュラニッポン。最近では、国内レースを代表するトップドライバー達がフォーミュラニッポンを離れていき、人気も低迷し始めているレースだが、今シーズンは「FN史上最も目が離せない、大激戦のシーズン」になる可能性が高まってきている。
2連覇を目指す王者オリベイラの一番のライバルとなってくるのが、彼以上にFN参戦暦の長いアンドレ・ロッテラー(TOM'S)と小暮卓史(NAKAJIMA)だ。2人とも昨年のチャンピオン争いで悔しい思いをし“今年こそ”と意気込んでいる。
おそらく、今年も『IMPUL』『TOM'S』『NAKAJIMA RACING』と、国内を代表する名門チームのエース同士による激しい争いが繰り広げられることは間違いない。
【今年のFNは伏兵が多数。誰が勝つか分からないシーズンに】
今年のフォーミュラニッポンの一番面白いところは、「伏兵となるドライバーが多い事」だ。
まずは、王者オリベイラのチームメイト平手晃平。
彼は昨年、優勝を飾っているドライバーの一人だが、今シーズンは彼だけが他のドライバーとは“少し違う事”を一貫して話している。
「今年の鍵になるのは“レース週末の体調管理だと思います。ここまでくると、どのドライバーも、技量の差はありません。最後の最後で体調面などの“小さな差”が勝敗を分けてくる大きなポイントになると思っています。」
プライベートでは、このシーズンオフに結婚した平手。今シーズンの彼の活躍に注目したい。
また昨年ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した山本尚貴。特に昨年11月に特別戦として行われたJAF GPでは、名手ロッテラーを苦しめる走りを見せた。
今年はチームを移籍し、SUPER GTと同じチームスタッフ(M-TEC)でフォーミュラニッポンも走る事になった山本。
「今シーズンは最低でも1勝」
3月の2011FN体制発表での強い意気込みが、もしかしたら開幕戦で実現するかもしれない。
この他にも、大嶋和也、石浦宏明などフォーミュラニッポンでも実力あるドライバーに、SUPER GTでも活躍している伊沢拓也、塚越広大など、実力をつけてきたドライバーが多数参戦。さらに、昨年のSUPER GT(鈴鹿700km)で鮮烈なデビューを飾った小林崇志や、2010全日本F3チャンピオンの国本雄資も、ルーキーとして参戦。今まで以上に、実績のあるドライバー達が同じマシンで競い合う事になる。
いよいよ今週末の鈴鹿からシーズンが始まるフォーミュラニッポン。今年は、鈴鹿のみならず全てのレースで、予選から0.001秒のミスも許されない争いが予想され、誰が表彰台に上がっても、誰が勝ってもおかしくないレースになっていくであろう。
今週末、お時間がある方は、是非鈴鹿サーキットに足を運んでいただきたい。
『吉田 知弘(ビギナー観戦塾)』