2月4日。東京・青山のホンダ本社「ホンダ・ウェルカムプラザ青山」で、ホンダの2011年モータスポーツ体制発表会が行われた。
発表には、本田技研工業株式会社の伊東孝紳社長をはじめ、2011シーズンにホンダのサポートを受けて参戦する。2輪ライダー、4輪ドライバーが集合。また、会場内は報道関係者のみ入場可。一般のファン向けに「USTREAM」で発表内容が生中継配信された。

まず伊藤社長は2010年のモータースポーツ活動を振り返り「昨年は、SUPER GTでチャンピオンを獲得し、多くホンダファンの皆様と勝利を勝ち取る喜びを分かち合えた。しかし、2輪の世界最高峰MotoGPでは2006年以降タイトルから遠ざかっている。今年は2輪、4輪ともに勝つことにこだわったシーズンにしていきたい。」と挨拶し、2011年のモータースポーツ活動についての概要が発表された。

また、発表会の中で行われた報道陣の質疑応答の中で、伊東社長は気になるホンダのF1復帰に関して言及「今のところ、F1参戦の予定はない。まずは今年参戦する全てのレースカテゴリーで勝利し、結果を残す事に注力したい」と、F1復帰に関しては厳しいコメント。しかし「モータースポーツ活動はこれからも続けていくし、鈴鹿サーキットもツインリンクもてぎも閉鎖するつもりはない。この両サーキットで満員の観客がいる中でレースがしたい。そのために、これからもモータースポーツ普及活動に務めていく」と、F1に対しては厳しいが、モータースポーツ活性化のために、企業として努力していく方針にあることを述べた。

その後、注目のドライバー・ライダーの2011年体制が発表。同時にステージに登場した。
ラインアップは以下の通りである。

【SUPER GT】
●No.1　ウイダー・ホンダ・レーシング
小暮卓史　　ロイック・デュバル
●No.8　ARTA
武藤英紀　　小林崇志
●No.17　ケーヒン・リアル・レーシング
金石年弘　　塚越広大
●No.32　EPSON ナカジマ・レーシング
道上龍　　　中山友貴
●No.100　チーム国光
伊沢拓也　　山本尚貴

【FORMULA NIPPON】
●リアル・レーシング（HFDP）
No.10　小林崇志
●チーム無限
No.16　山本尚貴
●NAKAJIMA レーシング
No.31　中嶋大祐　　No.32　小暮卓史
●DOCOMOチーム・ダンデライアン・レーシング
NO.40　伊沢拓也　　No.41塚越広大

【INDY】
●KVレーシング・テクノロジー・ロータス
No.５　佐藤琢磨

このほかにも、MotoGPの「レプソル・ホンダ・チーム」から参戦する、ダニ・ペドロサ、アンドレア・ドヴィツォーノ、ケーシー・ストーナーも発表会に参加。ドライバー・ライダー・チーム監督など総勢32名でのフォトセッションが行われた。

その後、各カテゴリー別でドライバー・ライダーへのインタビューが行われ、各選手が2011年シーズンに向けての意気込みを語った。

SUPER GT　No.1　小暮選手
「昨年以上に、思い通りに動くマシン（HSV-010）になってきているので、開幕が非常にに楽しみ」
SUPER GT　No.1　デュバル選手
「このカーナンバー１を今年は防衛したい。それは本当に難しい事だし、ライバルが多いから大変だけど、何とか完璧な状態でシーズン開幕を迎えたい」

SUPER GT　No.8　武藤選手
「アメリカで4年間戦ってきた経験を活かしたいが、（以前にSGTに参戦した）2006年から比べてもマシンは随分と変わっている。とにかく新たなチャレンジという気持ちでやりたい」

FORMULA NIPPON　No.16　山本選手
「シーズンオフのテストでは非常に良いで応えをつかんでいます。2010年での経験は大きな財産になっているので、今年は最低でも1勝を目標に準備していきます」

FORMULA NIPPON　No.31　中嶋大祐選手
「2010シーズン、イギリスでは厳しい結果になってしまいました。まだまだ万全という状態ではありませんが、開幕に向けて準備を進めます。父（中嶋悟氏）のチームで走る事も初めてですし、また兄（中嶋一貴選手）と同じレースで走るのも初めてです。ただ、こうやって注目してもらえる事は非常に嬉しいので、頑張りたいです。」

INDY　No.5　佐藤琢磨選手
「昨年の経験から、今年はどんな事が起きるかイメージができていて、モチベーションも上がっている。秋のもてぎ戦の頃にはトップ争いの常連ドライバーとして凱旋したい」

注目の2011年モータースポーツ
SUPER GTは4月3日に岡山国際で、フォーミュラニッポンは4月17日に鈴鹿で、インディカーシリーズは3月27日にサンクトペテルブルグで開幕する。

『記事：吉田 知弘（ビギナー観戦塾）』