8月4日、先日のハンガリーGPで9位入賞を果たした小林可夢偉選手(BMWザウバーF1チーム)が、前原国土交通大臣を表敬訪問。10月に行われるF1日本GPに向けて、F1の紹介と魅力をアピールした。
現在、国会の会期中で多忙な前原大臣。直前までスケジュールの調整がつかず、可夢偉との対談が実現するか微妙な状況にあったが、約10分程度の対談が実現した。
前原大臣の表敬訪問に先立ち、溝畑観光庁長官と対談。その後、大臣室で前原大臣と対談という流れとなった。さすがに国土交通大臣の前では、いつもの「可夢偉節」が見られる緊張した様子が絶えなかった可夢偉選手。
対談の中で、前原大臣は“若者のクルマ離れ”が進んでいることに言及「私が学生の頃は、すぐに免許を取って、アルバイトで貯めたお金で中古のクルマを買うのが主流でしたが、今では若い人のクルマへの関心が、非常に減ってしまっていますね」と述べた。
これに対し可夢偉選手も「F1は、スポーツ競技であると同時に“クルマの技術を争う競技”でもあります。自分がもっと良い結果を残せば、それに応じて人気を上がってくると思うので、これからもっと頑張って、10月の鈴鹿での盛り上がりにつながればと思います」
と、日本GPでの可夢偉自身の活躍と、日本のモータースポーツの発展に対する意気込みを語った。
最後に前原大臣も「リーマンショック以降、日本企業の撤退が続いたF1ですが、小林さんのように夢を持ってやっている人がいて、こうして活躍してくれることで“日本のコバヤシ”から“世界のコバヤシ”として日本を代表する選手になってほしい。そうすれば、また日本の企業のバックアップ体制も良い方向に向かって行ってくれると思います」と、日本GPに向けて、そして残りの2010シーズンに向けて期待が集まる可夢偉選手にエールを送った。
最後に可夢偉選手は、前原大臣にレースで使用したヘルメットをプレゼント。「最前列(一番目立つ場所)に飾りますよ」と、大臣も笑顔を見せた。
表敬訪問の後、報道陣の取材に対して可夢偉選手は、日本のF1ファン、鈴鹿に観戦に行くファンに対して
「鈴鹿サーキットというコースは、我々ドライバー側にとっても、観る側にとっても、非常に面白いコース。ちょっとF1に興味を持ってもらった人がいれば、是非10月の鈴鹿に来てください!生で観てもらえれば、自分が説明しなくてもF1がどういうものなのかを感じてもらえると思います」と、一人でも多くの方に鈴鹿に足を運んでもらいたいとコメントした。
10月10日に決勝を迎える日本GP。決勝後の表彰式では前原大臣もトロフィーのプレゼンターとして参加する予定。その世界が見つめる表彰台で可夢偉選手と前原大臣の「嬉しい再会」を楽しみに、2ヶ月後に迫った日本GPを待ちたいと思う。
【記事:吉田 知弘(ビギナー観戦塾)】