いよいよ今週末に迫った「JAFグランプリ 富士スプリントカップ2010」
その直前企画として観戦塾の「Circuit Diary」で、全7回に渡って、JAFグランプリ2010のレース・イベント紹介。さらに見どころをお伝えしている『JAFGP直前特集』
第1回:概要編
http://www.kansenzyuku.com/circuitdiary/diary.cgi?no=212
第2回:歴史編
http://www.kansenzyuku.com/circuitdiary/diary.cgi?no=213
第3回:スーパーGT編
http://www.kansenzyuku.com/circuitdiary/diary.cgi?no=214
今回は、もう一つのメインレース「フォーミュラニッポン」の特別戦用ルールを紹介したいと思う。
スーパーGTと同じく、シリーズ戦とは異なる部分が多いため、事前チェックは欠かせない。
【フォーミュラニッポン“JAFGP”特別戦ルール一覧】
<エントリーリスト>
こちらを参照(JAFグランプリ公式サイトより)
http://fujisprintcup.jp/race/fn_entry.html
<予選ルール>
・スペシャルステージ(スーパーラップ)方式を採用
・決勝1はタイムアタック中に指定された地点で最高速を計測、その速かった順でグリッドが決定
・決勝2は、同タイムアタックのタイム順でグリッドが決定。
・予選時のオーバーテイクシステムは使用禁止
<決勝ルール>
・周回数は22周(100km)
・レース中のタイヤ交換義務はなし
・オーバーテイクシステムは5回まで使用可
<JAFグランプリタイトルの決定方法>
・各レースの結果に応じて獲得ポイントを設定。
・決勝1、決勝2の合計ポイントが最も多かったドライバーが総合優勝となり「JAFグランプリタイトル」が付与される。
・ポイントシステムは以下の通り
1位:30 2位:24 3位20 4位:16 5位:12 6位:10 7位:8 8位:6 9位:4 10位:2 11位以下:0
【FN設立当初のルールが蘇る!予選は全車でスペシャルステージ】
今年のフォーミュラニッポンは、F1と同じ「ノックアウト方式」を採用しており、各ラウンドで生き残りラインを設定し、最終的にポールポジションを決めるという方式だ。
しかし、今回のJAFGPでは特別戦ルールとして、フォーミュラニッポンが設立された1996年当時に採用されていた「スペシャルステージ方式」が採用される事になった。
このスペシャルステージとは、現在スーパーGTが「スーパーラップ」として導入しているルールとほぼ同じ。あらかじめ決められた順番で1台ずつコースインし、1周勝負でタイムアタックを行う。そのタイム結果の順で決勝グリッドが決まるシステムだ。
当時のフォーミュラニッポンにしても、現在のスーパーGTにしても、最初に通常の予選が行われ、そこでの上位マシンのみがスペシャルステージ(スーパーラップ)に進出できたが、今回の特別戦では全マシンが対象となる。
【決勝1は“最高速勝負”、決勝2は“タイム勝負”の予選】
しかし、今回のJAFGPでは2回決勝が行われるため、グリッドを2レース分決める必要がある。そのため、今回のフォーミュラニッポンは「新たな試み」として、このようなグリッド決定方法にした。
スペシャルステージで、各ドライバーが行うタイムアタックは1周。その1周の中で、2つの「数値」を計測する。
・富士が誇る1.5kmのストレートエンドで「最高速度」を計測
・1勝負となるタイムアタックのタイム
決勝1のグリッドは、タイムアタック中に別計測した「最高速度」の速かった順で決定。
決勝2のグリッドは、通常の1周タイムの速かった順で決定される。
直線スピードをグリッド決定の対象項目にするという、新たな試みを行うフォーミュラニッポン。
予選が行われるのは金曜日と平日という事もあり、なかなか休みが取れない方も多いと思うが、いつもと違うフォーミュラニッポンの魅力が感じられる予選方式になっているので、是非チェックしてほしい。
【スプリント勝負の決勝レース。オーバーテイクシステムの使用頻度も多くなる特別戦】
スーパーGT同様に、100km(22周)のスプリントレースとなるフォーミュラニッポンの決勝。
こちらに関してのルール変更は、タイヤ交換の義務が消えただけとなる。
いつもはタイヤ交換のタイミングによって勝敗が決まる事もあったシリーズ戦だが、その義務がなくなり、コース上での“ガチンコ勝負”が実現することとなる。
そして、昨年から導入された「オーバーテイクシステム」は、通常通り5回使用できる。
ただ、今回はいつもの半分となる22周なため、7月に行われたシリーズ第3戦(44周レース)では、8.8周に1回使用できる計算だったが、今回のJAFGPでは4.4周に1回使用できる計算になる。
つまり、レース距離が短くなった分、使用チャンスが増える事になる。
特に舞台となる富士スピードウェイは、1.5kmのメインストレートを中心に、オーバーテイクシステムが使えるポイントが多く存在するため、毎周必ずどこかでバトルが見られるかもしれない。
【スーパーGTに参戦しているドライバーは、“1日2レース”の大忙し】
今年、スーパーGTに参戦しているドライバーのほとんどは、スーパーGTにも同時に参戦している。
いつもは、開催日程が異なるため、それぞれのカテゴリーに集中できていたが、今回のJAFGPは同日開催。つまり、土曜か日曜のどちらかは「1日2レース」を行わなければならない。
マシン性能、体にかかる負担、コース攻略も、全く異なるスーパーGTとフォーミュラニッポン。
その2カテゴリーを同時に、それも1時間半程度のインターバルのみでレースをしなければいけない。(特にGT300クラスに参戦している平中克幸と井口卓人は30分程度のインターバルしかない)
タイムスケジュール的には、先にフォーミュラニッポンが行われる形となるため、こちら側での影響はないかもしれないが、この「2カテゴリー同時開催」も、今回のJAFGPだから実現した見どころの一つかもしれない。
いよいよ開幕まで1週間を切ったJAFGP。
スーパーGTとフォーミュラニッポンも、見どころ満載の特別戦ルールで、またシリーズ戦とは違うレースが楽しめることは間違いない。
そして“JAFGPだから実現したルール”がもう一つある。
それがスーパーGT、フォーミュラニッポンに加え、全サポートレース、レジェンドカップ、さらにファンの応援も加味して行われる総力戦「東西対抗戦」だ。
これに関する詳細は、また次回お伝えしたいと思う。