いよいよ今週末に迫った「JAFグランプリ 富士スプリントカップ2010」
その直前企画として観戦塾の「Circuit Diary」で、全7回に渡って、JAFグランプリ2010のレース・イベント紹介。さらに見どころをお伝えしている『JAFGP直前特集』
第1回:概要編
http://www.kansenzyuku.com/circuitdiary/diary.cgi?no=212
第2回:歴史編
http://www.kansenzyuku.com/circuitdiary/diary.cgi?no=213
今回は、メインレースとして「スーパーGT」と「フォーミュラニッポン」の2カテゴリーが同日開催される。もちろん、史上初の試みだ。
さらに、通常のシリーズ戦ではなく「特別戦」という形で設定されいるレースということで、いつものシリーズ戦にはない「特別ルール」が両カテゴリーに導入されているのも、今回のJAFGPの特徴だ。
そこで、今回はメインレースの一つ「スーパーGT」の特別戦ルールについて紹介して以降と思う。
特にスーパーGTは、いつものルールと大きく異なっているため、普段からGTを観戦している方も必見の内容かもしれない。
【2人1組が通常ルールのスーパーGT、特別戦ルールでは“個人戦”に】
いつものシリーズ戦では、1台のマシンを2人のドライバーが分担して走る「耐久レース方式」が採用されているスーパーGTだが、今回の特別戦ルールでは、その概念から取り払わなければならない。
今回のJAFGPのスーパーGTのスケジュールは以下の通りだ。
11月12日(金)フリー走行・予選
11月13日(土)決勝1
11月14日(日)決勝2
このように、土曜と日曜に決勝が合計2回行われ、いつものような「400km」「300km」という長距離ではなく、100km(22周)のスプリントレースが採用された。
また、今回の特別戦ルール最大の特徴が「ドライバー交替禁止」である。
各チームのドライバーは、あらかじめ「決勝1」と「決勝2」のどちらに出走するかを登録。それぞれが単独でレースを担当する事になり、今までとは違う「個人戦のGT」が楽しめる事になった。
各チームの振り分けは、こちらを参照(JAFGP公式ページ内のエントリーリスト)
http://fujisprintcup.jp/race/sgt_entry.html
それでは、予選・決勝のルールなど、細かな部分をご紹介したいと思う。
【スーパーGT“JAFGP”特別戦ルール一覧】
<参加資格>
車両:2010年シリーズ出走車両
※ウェイトハンデはなし。性能調整は最終戦もてぎラウンドの調整値を適用
ドライバー:2010年シリーズ参戦ドライバー(5レース以上)
<予選ルール>
・制限時間は20分(ベストラップを採用する、フリー予選方式)
GT500の決勝1ドライバー、GT300の決勝1ドライバー、GT500の決勝2ドライバー、GT300の決勝2ドライバーという振り分けで、各20分のセッションを行う。
<決勝ルール>
・周回数は22周(100km)
・スタンディングスタート方式を採用
・レース中のドライバー交替は禁止
・タイヤ交換等、ピット作業の義務はない
<JAFグランプリタイトルの決定方法>
・各レースの結果に応じて獲得ポイントを設定。
・決勝1、決勝2の合計ポイントが最も多かったチームが総合優勝となり「JAFグランプリタイトル」が付与される。
・タイトルGT500の総合優勝チーム(2名のドライバー)、GT300の総合優勝チーム(2名のドライバー)の、合計2チームに付与される。
・ポイントシステムは以下の通り
1位:30 2位:24 3位20 4位:16 5位:12 6位:10 7位:8 8位:6 9位:4 10位:2 11位以下:0
【今回はGT500とGT300は混走なし!ウェイトハンデなし!“ガチンコ勝負”が実現】
いつもは、GT500クラスとGT300クラスの異なる2クラスのマシンが混走するレース方式が採用されているスーパーGT。しかし、今回の特別戦ルールではクラス別で予選・決勝が行われる事になり、同じクラスのマシンだけがコース上にいてバトルを繰り広げることになる。
そのため、いつものレースでは性能の高いGT500のマシンが、レース中盤にGT300のマシンに追いつき、周回遅れとして追い抜いていかなければいけないシーンが見られる。
GT500でもGT300でも、この別々のクラスが一緒になった瞬間を利用して、同クラスのマシンを追い抜くという「頭を使ったテクニック」が観ることができていた。
しかし、今回は別々に走るので、そのテクニックは使えない。
さらに今回は全マシンともに「ウェイトハンデ」はなし。性能調整も最終戦仕様に設定されるため、ほぼ同じ条件でのレースが期待される。
前述の通り、ドライバー交替がないためピット作業等の義務もない。
とにかくドライバーの腕と度胸が勝敗を左右する条件が、このJAFグランプリで整ったのだ。
【シリーズ戦とは違うスタンディングスタート方式を採用。1コーナーは大混乱必須か?】
もう一つ、シリーズ戦にはないルールが特別戦仕様として導入されている。
それがスタンディングスタート方式だ。
いつものスーパーGTでは、各マシンが最終コーナーから2列に整列して、走りながらコントロールラインに戻ってくる。そこでペースカーがピットに入り、シグナルがグリーン担った瞬間にスタートという「ローリングスタート方式」が採用されている。
しかし、今回のJAFグランプリでは、F1やフォーミュラニッポンと同じ、グリッドに整列・静止した状態で、シグナルグリーンと同時にスタートという「スタンディングスタート方式」が採用される事になった。
スーパーGTでスタンディングスタートが導入されるのは、レース史上初。
いつもとは違うスタート方式になるため、また違う迫力を体感する事が出来るかもしれない。
さらに、いつもローリングスタートに慣れているGTドライバーにとっては、大きな試練になるだろう。スタンディングスタートは、ドライバーによって得意・不得意が別れる。
スタート直後から、大波乱のレースになることは、間違いないかもしれない。
このように、今回のスーパーGTは、いつものシリーズ戦ルールとは大きく異なっている箇所が多い。
しかし、変更点の全てが「いつも以上に面白いレースになる」要素が詰まっている内容である事は間違いない。
当日の観戦前にチェックしておくと、より楽しい観戦になるのではないかと思う。
さて、次回はもう一つのメインレース「フォーミュラニッポン」の特別戦ルールを紹介予定だ。
『記事:吉田 知弘(ビギナー観戦塾)』
未承認 2010年12月27日(月)21時17分 編集・削除
管理者に承認されるまで内容は表示されません。