東京モーターショーの会場「東京ビックサイト」の近隣にあるお台場MEGA WEBでは、第3回MEGA WEBフェスタwithココロハコブプロジェクトが開催された。
自動車雑誌3社が合同で開催しているクルマ・モータースポーツを紹介し、より多くのファンに普段は見ることもできないクルマを身近に触れてもらう機会を作っているイベントで、3回目となる今回は、国内自動車メーカーが誇る往年のレーシングカーが登場。中でも1991年のマクラーレン・ホンダMP4/6のデモ走行があるということで、11時の開場とともに多くのファンが来場した。
しかし、残念なことに早朝に行われたリハーサル走行でトラブルが発生。左フロントサスペンションを破損してしまい、マクラーレンのデモ走行は中止となってしまった。
それを会場で知ったファンからは残念がる声も聞こえたが、マシンの保管・メンテナンスを続けてきたホンダコレクションホールのスタッフのご好意により、パドックウォークではマシンを展示、そしてエンジン始動を行ってくれた。
本来、デモ走行のドライバーを担当する予定だったモータージャーナリストの宮城光氏は、「今日集まっているクルマは、どれも貴重なクルマばかりです。その中でも皆様が楽しみにしていたMP4/6の走行をお見せできなくて、本当に大変申し訳ありません。今回はエンジン始動のみとなりましたが、皆さんのこのマシンの魅力をどうしても伝えたくて(当初の指示を上回る)12000回転まで回しました!今回は走れませんでしたが、今後もこうやってレーシングカーのデモ走行を行う機会を作っていければと思っております」とコメントした。
一番メインだったマシンの走行は叶わなかったが、それ以外にも各メーカーの往年のマシンが登場。1991年のル・マン24時間耐久レースを制したマツダ787Bはヘッドライトを点灯させ、自慢のロータリーサウンドを披露。またF1名門チームとしても知られるロータスチームの創始者コーリン・チャップマンが製作し、F1の実戦で出走が認められなかった幻のF1マシン「ロータスF188B」も走行。マクラーレン・ホンダとは違う、迫力ある走行を見せてくれた。
レーシングカー走行の最後には、MEGA WEBでは初となるスズキMotoGPバイクによるデモ走行も披露され、ロードレースライダーの青木宣篤がウィリー走行やバーンアウトなど、世界最高峰のロードレースMotoGPでTVを通して観ているMotoGPならではの“小技”を存分に披露、会場は拍手喝さいとなった。
また、世界最高峰のオートバイの圧倒的な加速力に驚いた場内。これに対し、走行を終えた青木は「ギアは1速だけしか使いませんでした。あの加速力で最高速は300km/hまで達します。(MC:危なくないですか?)確かに、あの加速で多くのライダーと走るのですが、みんな同じ方向に向いて走っているので、特に怖くはないです。」とコメント。
普段から4輪のレーシングカーのデモ走行は何度も行われてきたが、オートバイのデモ走行の機会は少なく、MEGA WEBでは初めてのこと。その迫力や魅力にファンは圧倒されていた。
また屋内でも日産名レーシングカーのひとつであるR383が展示されていた他、現在はSUPER GTのスポンサーとしてマシンのカラーリングでも話題になった「エヴァンゲリオン」カラーのプリウスも登場。なんでも来年秋公開予定の「新劇場版・Q」でプリウスPHVが登場することに合わせての企画だそうだ。
メインステージではドライバーのトークショーや新型小型FRスポーツ「86(ハチロク)」の開発担当者が登場してのトークショーも行われ、こちらも多くのお客様で賑わった。
『記事:吉田 知弘』