2回の決勝レース終了後、各レースのトップ3が集まって記者会見が行われた。
RACE1:1位アラン・メニュ
「スタートは良かったが、ブレーキングでミスをしてしまい、ミューラーに抜かれてしまった。リスタートの時に上手く、スリップに入る事が出来て、抜き返す事が出来た。レース中、フロントタイヤの消耗を気にして走っていたけど、後半も調子良く、最後まで攻めきれた。(チャンピオンシップの逆転も見えてきましたが)そうだね。これから先、最終戦のマカオまでの全てのチャンスを勝ち取りたいと思う。」
RACE2:1位トム・コロネル
「とにかく嬉しい!実は今日は、息子の1歳の誕生日で、良いバースデープレゼントになったよ。レースは本当に難しく大変だった。ずっとミューラーにプレッシャーをかけられ続けていたけど、最終コーナーが自分のほうが勝っていたから、そこで上手くリードしてポジションを守った。この優勝はBMW勢にとっても自信につながったし、今までとは異なり“勝ちに行く”ということを目指して、残りのレースも戦いたい」
Q:レース前やレース後に、大事に四葉のクローバーを持っていましたが?
「昔、フォーミュラニッポンで初優勝した富士スピードウェイで、中嶋さんからいただいたのが、日本での思い出の一つになっていますが、今回はファンの方からいただいて、レース中も大事に持っていたよ。」
RACE1:2位、ロバート・ハフ(RACE1:3位)
「今回のレースでイヴァンとのポイント差を縮める事ができた。まずはチームに感謝したい。両レースとも後方からのプレッシャーが強く、順位を守ることが精一杯だった。」
[この鈴鹿で大量ポイントを獲得したハフ(撮影:STUDIO BEANS)]
RACE2:2位イヴァン・ミューラー
「レース2は、とにかくコロネルを抜こうと試みた。ただ、3位のハフがすぐ後ろにいて、ミスをしたら順位を落としてしまうし、チャンピオンシップのこともあったから、順位をキープする事に集中した。」
[ランキング首位を守ったミューラー(撮影:STUDIO BEANS)]
RACE1:3位マイケル・ニケルス
「とても嬉しい!自分でも本当にポウディアムに上がれるとは思っていなくて、まさに奇跡が起きたような気分だよ。」
『記事:吉田 知弘』
RACE1の終了からわずか40分後、WTCC日本ラウンドのRACE2が始まった。RACE1では、1コーナーで多重クラッシュもあり、多くのマシンがボディ等を破損した状態で終えていたため、RACE2前のリペアタイムでは、各チームはマシンの修復に余念がなかった。
グリッド上に戻ってきたWTCCマシンだが、スタート直前になんと雨が降り出す。幸い通り雨で路面上もドライのままフォーメーションラップが始まった。
今回のRACE2では、予選でのQ1タイム10位のドライバーからトップ10のみリバースグリッド。さらにRACE1とは異なるグリッドスタートで23周が争われた。
リバースグリッドによりポールポジションを獲得したのはダリィ・オーヤング(シボレー・クルーズ)だったが、スタートで失敗し後退。さらに1コーナーで他車と接触し、スピン。大きく後退してしまう。
オーヤングに代わってトップに立ったのは1999年のフォーミュラニッポン王者であるトム・コロネル(BMW 320TC)。序盤は、2位以下のシボレー・ワークス勢を引き離す走りを見せたが、2位のイヴァン・ミューラー(シボレー・クルーズ)が徐々に間合いをつめ、1位コロネルからシボレー3台をはさみ、5位のダールグレン(ボルボC30)までが接近戦を展開する、白熱したRACE2となった。
途中、王者ミューラーの猛追で何度か抜かれそうになったコロネルだが、最後までトップを死守。見事、今季初優勝を思い出の地である鈴鹿で勝ち取った。
本人も久しぶりの優勝となったコロネル。パルクフェルメに戻ると、マシンのルーフに飛び乗り、喜びを爆発させた。
2位には最後までコロネル攻略を試みたミューラー。3位にはロバート・ハフ(シボレー・クルーズ)が入った。
期待が集まった日本勢は、谷口行規(シボレー・クルーズ)が14位、スポット参戦の新井敏弘(シボレー・クルーズ)が15位、吉本大樹(サンレッドSRレオン)が17位に終わった。
『記事:吉田 知弘』
鈴鹿初開催となるWTCC KENWOOD Race of Japanの決勝「RACE1」が行われた。
ローリングスタートで始まったRACE1だが、スタート直後から大混乱、3位スタートのダールグレンを中心に多重クラッシュが発生。そこにスポット参戦している吉本大樹も巻き込まれる形となり、残念ながらレースから脱落してしまう。
この多重クラッシュによりセーフティーカーが導入され、6周に渡って、全区間追い越し禁止状態。この間に、1コーナーのクラッシュで傷を負ったマシンが続々とピットに戻り、WTCCならではの修復作業が始まる。
6周目にコースの安全確認が行われ、リスタート。再びWTCCバトルが始まっていく。スタート直後にトップに立ったイヴァン・ミューラー(シボレー・クルーズ)を、7周目にPPスタートのアラン・メニュ(シボレー・クルーズ)が再びトップを奪い返し、ミューラーは、そのまま順位を落としていってしまう。
土曜日のプラクティスから絶好調のメニュが、そのままトップを譲らずRACE1を優勝。2位にはチームメイトのロバート・ハフ(シボレー・クルーズ)。3位はマイケル・ニルケス(サンレッドSRレオン)が入った。
注目の日本勢は、谷口行規(シボレー・クルーズ)が7位で最高。加納政樹(BMW320TC)が14位、新井敏弘(シボレー・クルーズ)は15位、吉本大樹(サンレッドSRレオン)は1周目のクラッシュのダメージが大きく、リタイヤとなった。
『記事:吉田 知弘』
決勝レースを控えたWTCCのピットでは、ファンが待ちに待っていたピットウォークが開催され、多くのファンでピットロードが埋め尽くされた。決勝日はドライバーも参加してのサイン会が行われ、WTCCファンで大盛り上がりとなった。
また、メインストレート上ではオープニングアトラクションが行われ、まずは龍谷大学吹奏楽部によるパフォーマンスが行われ、メインストレート上に注目が集まる。グランドスタンド前で行進が終わると、今回スポット参戦をしているラリードライバーの新井敏弘によるラリーカーパフォーマンスで、一気に大盛り上がり。
その後、決勝レースを控えた日本人ドライバーが集合してトークショーが行われ、意気込みを語った。
ここで、日本人ドライバー応援のために、2週間前のF1日本GPで活躍した小林可夢偉が登場。特に今回スポット参戦している吉本大樹(サンレッドSRレオン)とはプライベートでも仲が良く、「WTCCは難しいレースだと知っているから、凄いとこにチャレンジしたなぁと思いました」と、吉本からWTCC参戦を聞いた時の話を振り返った。そして、「WTCCはまさに“格闘技レース”ですが、とにかくヨッシー(吉本)らしい走りが観れるのを楽しみにしています。」とエールを送った。
そして、決勝スタート前には大きな日の丸がグリッド上に登場。同時に地元三重県の「三重県美少女図鑑」のモデルの皆さんが、今回はグリッドガールを担当。
グリッド上の準備が整い、マシンも続々とコースイン。
世界選手権ならではの華やかな雰囲気に包まれたグリッド上となった。
晴天に恵まれた鈴鹿サーキットで、いよいよ格闘技レースのハイライトとなる決勝レースが始まる。
『記事:吉田 知弘』