決勝レース目白押しのJAFGP日曜日。まず最初のメインレース決勝はフォーミュラニッポンだ。
12時00分から始まった22周勝負の決勝。大勢のファンがグランドスタンドで見守る中、国内最高峰のフォーミュラレースのスタートが切られた。
スタート直後からPPのNo.1ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、2位のNo.37中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が1コーナーまで激しいポジション争いをする中、3位スタートのNo.8石浦宏明(TEAM KYGNUS SUNOCO)が上手くスペースを見つけ、ポジションアップ。1位オリベイラ、2位石浦、3位一貴の順でレースが始まっていく。
今季のシリーズ戦ではトムス勢の圧倒的な強さで活躍の場が少なかったオリベイラと石浦、序盤からハイペースでバトルが繰り広げられていく。一方、3位一貴は徐々にトップに引き離されていき、今季のチャンピオンで昨年のJAFGP完全制覇を遂げたNo.36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)も、7位スタートから苦戦。中盤までNo.40伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION)とのバトルに付き合わされる。
トップ争いはオリベイラと石浦の一騎打ちとなったが、後半になっても1分27秒9~1分28秒1のハイペースを維持し続けるオリベイラに対し、タイヤの磨耗で少しずつ後れをとる石浦。18周目には5秒まで差が広がってしまう。
終盤になって新王者ロッテラーが追い上げを見せ、1コーナーでオーバーテイクボタンを上手く利用し、伊沢を抜くと、4位を走る大嶋に接近。残り2周で抜きにかかる。しかし、ここまでの伊沢とのバトルや大嶋に対する追い上げで、昨年は一度も使用しなかったオーバーテイクボタンを5回全て使い切り、肝心なところで大嶋に逃げられてしまい、4位浮上はならなかった。
結局、スタートから一度もトップを譲らなかったオリベイラがトップでチェッカーを受け、2011年のJAF Grand Prix FUJI SPRINT CUPフォーミュラニッポン部門で優勝、シリーズ戦を含めると第4戦もてぎ以来の勝利となった。
残念ながら、今季彼がつけていたカーナンバー1は返上しなければいけなくなるが、「2010年チャンピオンここにあり!」という王者らしい堂々としたレースを見せた。
2位の石浦宏明は、ちょうどサーキットに生後3ヶ月の長女と奥様も応援に駆けつけ、愛娘の前で素晴らしい走りを披露した。
3位には中嶋一貴が入り、シリーズ戦も含めて全戦表彰台を獲得した。
『記事:吉田 知弘』