電力事情を配慮して例年より1時間早くスタートした今年の8耐を制しトップでチェッカーを受けたのは F.C.C TSR Honda(秋吉・伊藤・清成組)だった。
スタートライダーを担当した清成龍一が1周目にヨシムラの加賀山をパスするも、序盤にヘアピンでまさかのスリップダウン。バックマーカーが出てくる前に少しプッシュし過ぎてしまったとの事だったが、マシンにはそれほど大きなダメージもなく伊藤真一にライダー交代するとトップ集団に追いついた。優勝候補といわれるF.C.C TSR Honda、ヨシムラSUZUKIRacingTeam、MuSASHi RT HARC-PRO.の3チームがトップを目まぐるしく入れ替えながらも、8耐優勝経験のある3名を揃えるTSRが217周を走りきり見事優勝した。
伊藤真一の44歳での8耐優勝は最年長での8耐優勝記録となった。
2位には25秒差でヨシムラSUZUKIRacingTeamがチェッカーをうけた。
昨年8耐を制したMuSASHi RT HARC-PRO.(高橋・玉田・岡田組)は中盤以降中々ペースが上げられず3位となった。
16年ぶりの8耐参戦となり注目を浴びたTEAM SHINSUKEは、シケインで転倒するアクシデントに見舞われたが目標の15位を上回る14番手でチェッカーをうけた。
優勝したF.C.C TSR Hondaの伊藤真一選手は今年3月11日に起こった東日本大震災の被災者でもあり今でも厳しい生活を強いられている一人だ。そんな伊藤選手が「今日は秋吉の速さと、清成の体力とチームワークで勝ち取った優勝だった。みんなで力を合わせて頑張れば不可能は無いんだと言うことも強く感じた。まだまだ被災地の現状は厳しい状況ですが、地元に帰って皆で復興に向けて頑張って行きたい。」と喜びを表した。