今年最初のポールポジションを決めるための予選・スーパーラップが富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは39号車のデンソーサードSC430がポールポジションを獲得した。
今回のSUPER GTはフリー予選形式の予選1回目で、上位10台の「スーパーラップ進出マシン」と11位以下の決勝グリッドを決める。上位10台に関しては10位から順に1台ずつ1周のみのタイムアタックを行い、1位~10位のグリッドを決めなおすスーパーラップで決勝のグリッドが全て決められる。
まず予選1回目で、今年からGT500クラスにステップアップしてきたS Road MOLAが1分32秒481という驚異的なタイムを記録し、ライバル達を驚かせる。また逆に金曜日の走行から調子が上がってこない8号車ARTAHSVや、今年からGT500にステップアップし、ほとんどテストができなかったWedsSports SC430、また前年の富士400kmレースを制したチームクラフトの結果が低迷。明暗が分かれる予選1回目となった。
その後、15時35分から10位のペトロナストムスSC430から順に1発勝負のタイムアタックとなるスーパーラップが始まる。午後から富士スピードウェイ上空に雲が出はじめ、またメインストレートでは強い追い風になっていた事から、気温・路面温度が予想を下回るコンディションでのスーパーラップとなった。
まずスーパーラップで速さを見せたのは、24号車のADVAN KONDO GT-R。ヨコハマタイヤを装着して参戦し、安田がタイムアタックを担当。1分33秒058を記録する。
その後、ホンダ勢を上位陣が苦労する。まずは追い風によりブレーキのタイミングが難しくなった1コーナーで、17号車KEIHIN HSVの金石がスピン。さらに昨年の王者、1号車ウイダーHSVのデュバルもコカコーラコーナーでスピンをしてしまい、波乱の展開となっていく。
ブリヂストン勢がタイム更新に苦労する中、7番目に出走した39号車のデンソーサードSC430を駆る石浦宏明が1分32秒738を記録。ここでもミシュランタイヤのマシンが素晴らしいタイムを記録した。
最終アタッカーとなったMOLA GT-Rで同じ「ミシュランタイヤ」を履くクインタレッリがタイムアタック。セクター2まではほぼ互角のタイムを記録していたが、最終区間で細かなミスが出てしまい、0.228秒ポールタイムに届かなかった。
これにより、デンソーサードSC430がポールポジション。チームとしては1995年のSUGO戦以来、15年ぶりのポールポジション。石浦とパートナーを組む井口は、GT500にステップアップした初戦でのポールポジション獲得となった。
石浦宏明
「今回、走り出しのマシンの状態は決してよくなかったけど、走って修正をしていく度にマシンの状態が良くなり。ポールポジションを獲得できた。今回、ロングランで調子の良いタイヤでPPを取れたし、(明日の天気予報は雨ですが)ミシュランはコンディションが悪い時ほど、好都合なタイヤでもあるので、それを上手く利用したい」
井口卓人
「今回は練習走行での走り出しからマシンの状態が良くなかったので、ポールポジションを獲得できるとは思わなかった。明日は天候がどうなるかは分からないけど、冬のテストでやってきた通りの事が出来れば、トップで帰ってこれると思う。」
『記事:吉田 知弘(ビギナー観戦塾)』