開幕以来のドライコンディションとなりそうな決勝。定刻通りレーススタートとなった。
ポールポジションスタートのL.デュバル(NAKAJIMA RACING)が少しミスをし、その隙に小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)が一気にトップで1コーナーに飛び込んだ。デュバルにランキングトップに並ばれたのB.トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)が6番手から3位に、A.ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が11番手から6位に大きくジャンプアップを魅せる。
しかし、このスタートでなんと5台ものマシンがジャンピングスタートの反則で、ドライブスルーペナルティを余儀なくされてしまう。未だ表彰台に上れない松田 次生(LAWSON TEAM IMPUL)、今日の表彰台争いに大きな期待がされる、成長著しい塚越 広大(HFDP RACING)、伊沢 拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)R.ライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、そしてロッテラーだ。ロッテラーも今シーズン、自身の速さを発揮できないまま。ここから怒濤の巻き返しを狙う。
3戦連続優勝を獲得している、NAKAJIMA RACING。ここでもこの2台の勢いは止まらない。
序盤から3位以下を引き離しにかかる。中でも今日の主役は小暮。
中盤、各車がピットインする頃には、トップの小暮は僚友デュバルをも10秒以上、3位を走るトレルイエには30秒以上の差をつけ、余裕でトップをキープ。ピットアウト後にもセクターのベストタイムを出しながら、圧倒的な速さを魅せつける。
この鈴鹿は暑さとの戦い。非常に過酷なコンディションの中、序盤から既にペースを落としてしまうドライバーが続出し、ピットインの前までに1'46台で走っているのは1、2位のみとなっていた。
14周目、ペナルティを受けながら追い上げてきた松田が、オーバーテイクシステムボタンを使いながら、シケインで大嶋 和也(PETRONAS TEAM TOM'S)をかわしポイント圏内に浮上。大嶋は28周目には同じシケインで塚越にかわされてしまう。
15周目にR.ライアン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がピットインしたのを皮切りに、各車が続々とタイヤ交換、給油を行った。
最後に満を持してピットに入った松田だったが、右フロントタイヤが外れないというクルーの痛恨のミスにより、大きなタイムロスをしてしまった。またしてもポイント圏外になってしまうのか。ロッテラーの前に入り、1'45台の好タイムで走行を重ねる彼を押さえなんとか8位を守り、立川 祐路(CERUMO/INGING)をもパスし7位に。更に前を狙いにかかる。
余裕の走りを魅せていた小暮だったが、34周目にまさかのスロー走行。マシンにトラブルか?
デュバルにトップを明け渡し2位に後退。トレルイエにも追い付かれるかと思った矢先、トラブルが解消されたのか、再びタイムが1'47台に戻る。
更に誰もいないところでボタンを使い、「ひとりオーバーテイク」でファステストラップ(40周/1'45.191)を記録した。
デュバルが2戦連続のポールトゥウィンで今季3勝目を飾り、小暮が意地の2位でNAKAJIMA RACINGが念願の1、2位フィニッシュ、ブノワがスタートから順位を守ってゴール。
その矢先、130Rで大きなアクシデントが起こる。
終盤、激しい6位争いを繰り広げていた国本 京佑(Team LeMans)と松田が接触してしまい、2台ともコースアウト。怒り心頭の松田。しかしゴール目前で国本も、初ポイントのチャンスを最後の最後に失ってしまい悔しい結果となってしまった。