【INDY】ついに大願成就!!佐藤琢磨が日本人初のインディ500優勝を達成!

©︎INDY CAR

今年で101回目を迎えた伝統のレースイベント「インディ500」で、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポーツ)が日本人として初めてのインディ500優勝という快挙を成し遂げた。

2010年から活動の舞台をアメリカに移しインディカー・シリーズに参戦。2013年には日本人初となる同シリーズでの優勝も成し遂げた。

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しかし琢磨は最大の目標としているインディ500制覇を次なるターゲットに位置付け、40歳を迎えた今年も挑戦を続けていた。

今年は長年ともに闘ってきたAJフォイトレーシングを離れ、名門アンドレッティ・オートスポーツに移籍。インディ500の優勝経験はもちろん、ライアン・ハンターレイなどシリーズチャンピオン経験者も在籍。さらにオーバルコースではライバルを圧倒する強さと実績を兼ね備えているチームだけに、今年の琢磨への期待は一層高まるものがあった。

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伝統に従い5月中旬からプラクティスが始まって行くが、琢磨は尻上がりに調子を上げ、最終プラクティスでは3番手タイムを記録。その勢いで予選でも素晴らしい走りを披露し、1日目で2番手につけ、初めてファスト9に進出。ポールポジションも狙いさらに果敢に攻めていったが、わずかに及ばず4番手。それでも自身ベストとなるインディ500での2列目グリッド。少しずつ、流れが琢磨に傾き始めていた。

日本時間の28日深夜にスタートが切られた決勝レース。序盤から上位争いに加わり、好調さをキープしていたが、53周目に今回のポールシッターであったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が他車と絡んで宙を舞う大クラッシュ。マシンが真っ二つになるほどインパクトがあるもので、レースは赤旗中断に。

幸いディクソンに大きなけがはなく、フェンス等の補修が終わるとレースが再開された。

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すると、レースをリードしたのはF1モナコGPを欠場してこのレースに挑戦したアロンソ。琢磨の隣である5番手からスタートし、序盤はトップ集団に入ってこうバトルを披露していた。

レース中盤も様々なところでアクシデントや抜きつ抜かれつのバトルがある中、レース後半になるとホンダ勢に続々とトラブルが発生。ハンターレイが白煙を上げてストップすると、残り20周というところでアロンソもマシンもトラブルに見舞われ無念のリタイア。この他にもトップ争いをしていたチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)もマシンを止め、上位陣が次々と脱落。サバイバルの様相を呈して行く。

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アロンソのストップによるイエローコーションが184周目に解除された直後にまた多重クラッシュが発生。残り11周でレースが再開されると、このレースのハイライトとも言える大バトルが展開された。

トップはマックス・チルトン(チップ・ガナッシ)。そこに琢磨が迫っていくが、抜きあぐねていた隙をついてエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)が2番手に浮上する。これで3番手に落ちた琢磨。残り10周を切るが、トップ奪還を諦めずに再びプッシュを開始。

残り7周のターン3でカストロネベスがアウトからパスしたのに乗じて、その次のメインストレートでインに飛び込み、琢磨も2番手に浮上。この時点でカストロネベスは少しリードを築いていたが、各ターンで完璧な走りを見せた琢磨が少しずつ迫っていき、残り5周に入るところでアウトからパス。ついにトップに浮上した。

しかし、カストロネベスも最後まで諦めず、再び接近。残り2周のターン1で勝負に出るが琢磨もしっかりポイントを抑えトップを死守。これで両者とも少し差が広がった。

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琢磨は最後まで手を緩めず、ファイナルラップもきっちりトップを死守。ついに念願のインディ500制覇を成し遂げた。

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ゴール直後、琢磨は無線で雄叫びをあげ、喜びを爆発。マシンを降りると、笑顔で何度もガッツポーズし、恒例のミルクを勢いよく飲み干していた。

101回の伝統を誇るインディ500で日本人が優勝するのは史上初。レース終了がちょうど日本時間の29日早朝だったこともあり、朝から各メディアが彼の快挙を一斉に報じている。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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