2016年のF1最終戦アブダビGPが11月27日、ヤス・マリーナサーキットで行われ、ついに今年のワールドチャンピオンが決まった。
シーズン序盤はニコ・ロズベルグが開幕4連勝を飾り一気にリードを広げるが中盤戦にルイス・ハミルトンも反撃。夏場のレースで4連勝を飾り、43ポイントあった差をひっくり返してトップに浮上した。このままハミルトンの3連覇という流れになっていくかと思われたが、夏休み明けに再びロズベルグがペースをつかみ3連勝。なんとか食い下がりたいハミルトンだったが、マレーシアGPでトップ快走中にまさかのエンジンブローに見舞われリタイア。翌週に行われた日本GPでも、スタートを失敗し後退。逆にロズベルグが鈴鹿でのレースを初めて制し、主導権を完全に握った。
後がなくなったハミルトンだがアメリカ、メキシコ、ブラジルと3連勝。これでロズベルグが367ポイント、ルイス・ハミルトンが355ポイントとなり、12ポイント差で最終戦アブダビで決着の時を迎えることになる。
金曜のフリー走行から0.001秒を争う僅差のタイムを出していた2人だが、流れはハミルトンに傾いており、予選でも0.3秒の差をつけてポールポジションを獲得。ロズベルグは2番手につけた。
そして、今年もトワイライトレースで行われた決勝レース。ロズベルグは3位以内でチェッカーを受ければ無条件でチャンピオンが決まる。一方のハミルトンは勝つことが第1条件と言っても良い状況。スタートからトップを死守し、レースをリードしていった。
ロズベルグは冷静に2番手を守っていたが1回目のピットストップで思わぬタイムロスを強いられてしまい、後続に迫られてしまう。それでも落ち着いて対処してレース後半には再び2番手に。このままいけば、初のチャンピオン獲得というところまで漕ぎ着けた。
しかし、ここからハミルトンが誰も予想していなかった作戦に出る。わざとペースを落として後続のマシンを引きつけ、抑え込むレース展開に移していく。
これでロズベルグの背後にはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ダニエル・リカルド(レッドブル)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)などが接近。彼らも純粋に勝利を目指して走っているため、ロズベルグに並びかけていく。
圧倒的に有利な状態から、チャンピオンをかけた壮絶な心理戦に巻き込まれたロズベルグだが、最後まで冷静に耐え抜き、そのままの順位でフィニッシュ。参戦11年目にして初のワールドチャンピオンを獲得。父のケケ・ロズベルグと共に、史上2組目となる親子でのF1チャンピオンを成し遂げた。
ウイニングランでは何度も雄叫びをあげ、メインストレートに戻ってきてド派手なドーナツターンを披露。これまで何度も挑戦しては敗れ、ずっと悔しい思いをしてきただけに、これまで以上に喜びを爆発させていた。
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。