今年から新たな入門カテゴリーとして日本でも開始されている「FIA-F4選手権」。そこに参戦するmiNami aoYama with SARDが女性のモータースポーツ文化を広めていくための一環として、若手の女性ドライバーを起用。この鈴鹿ラウンドにも挑戦する。
将来トップドライバーを目指す若手ドライバーが集結するカテゴリーとして注目を集めているFIA-F4。今季はSUPER GTの国内ラウンド全戦と併催され全7大会14戦で開催される。同シリーズのGT500クラスにも参戦するSARDの野田秀樹監督が主催する「NODAレーシングアカデミー」とコラボし、今回は2台体制でエントリー。そのうちの1台(20号車)をオーディションで合格した今橋彩佳選手、牛井渕琴夏選手がマシンをシェア。各大会ごとに交互で参戦している。
今週末の鈴鹿ラウンドに挑戦する牛井渕選手は17歳。祖父の影響で小さい頃から全日本カートで腕を磨き今年FIA-F4参戦のチャンスを掴んだ。第3・4戦富士での参戦を経て今回は2大会目のレースとなる。世界屈指のチャレンジングなコースでのレースについて「鈴鹿は以前から走ってみたいなと思っていたコースです。実際に走行してみると高速コーナーも多かったり、シミュレーターとは異なる印象もあるので、乗ってみないと分からないことが多くて少し苦戦中です。でも何とか入賞できるように頑張りたいです」と意気込みを語ってくれた。
一方の今橋選手は参戦はせずチームに帯同してチームのサポートを行う。カート等での経験がなく先日富士で行われた第5・6戦が公式レースのデビュー戦。「実は実車に乗るのがレースウィークに入ってからが初めてだったんですけど、タイム的にも良くて上位も狙えるかなと思ったんですが、レースというものに慣れていなかったのでマシンコントロールよりも自分自身のコントロールに慣れていなくて予選で大失敗してしまって下位グリッドからスタートして決勝も順位を思うように上げられず、経験不足が響いたなと感じました」と振り返ってくれた。ただSUPER GTが好きだっただけに鈴鹿サーキットへの思い入れは強く「福島県出身なので、鈴鹿方面に来る機会がなく、今回初めて来られてちょっと興奮しています。本音を言えば走りたかったですね(笑)」と語ってくれた。彼女も将来的にはSUPER GT参戦を目指して日々努力を積み重ねているという。
こうして若い女性ドライバーを積極的に起用し、レースで活躍する場を与えているmiNami aoYama with SARD。高橋監督は「レースの場で女子が活躍するチャンスを与えて、少しでも門戸を広げていきたいなと思ってプロジェクトが動き出しました。2人ともオーディションで合格して参戦のチャンスを掴んでいるので、切磋琢磨しながら頑張ってくれています」と2人の頑張りぶりを評価。さらに「行く行くはこのチームを起点としてレースを舞台に活躍したい女子が増えていってくれる環境を作れればなと思っています。それが最終的にカテゴリー全体の盛り上がりにもなればなと思います」と語ってくれた。
このmiNami aoYamaはサーキットで女性が楽しめるコンテンツ、女性が活躍できるコンテンツを増やしていきたいと今年から本格的に活動しており、FIA-F4の女子ドライバー枠以外にも「レース女子カフェ」を開催。5月・8月の富士ラウンドでは多くのファンが集まり大盛況となった。
今まで「モータースポーツ=男の人が楽しむもの」という固定概念を打ち破っていく形で始まったプロジェクト。今後の彼女たちの活躍も含め、チームの活動から目が離せない。
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