【F1】2014第16戦ロシアGP:レースレポート

©Pirelli
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 2014年のF1世界選手権。鈴鹿での日本GPが終わって早1週間も経たずに第16戦ロシアGPが開催された。

 数年前から開催構想があったロシアGPがついに実現。舞台は2月に行なわれたソチ冬季五輪の会場跡地を利用して建設された「ソチ・オートドローム」だ。コースサイドには今でもメインスタジアムや選手村をはじめとして五輪の競技施設が残っており、そこを縫うように作られたサーキットをF1マシンが疾走。また新鮮な光景が観られた週末となった。

 日本GP終盤に起きた大クラッシュで、今も重篤な状態が続いているジュール・ビアンキ(マルシャ)と家族のために、レース前全ドライバーがグリッド前に集合し円陣を組んだ。マルシャF1チームはビアンキとともに戦いたいと、ガレージに17番のマシンを用意。また各ドライバーもヘルメットなどにビアンキを応援するステッカーを貼って臨んだ。

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 ポールポジションはルイス・ハミルトン、2番手にニコ・ロズベルグが並び今回もメルセデスAMGがフロントローを独占。スタートではロズベルグが好ダッシュをみせトップを奪うが、ハミルトンと競り合ったターン2で激しくブレーキをロックさせてしまう。これでタイヤにダメージを与えてしまい1周目で緊急ピットイン。これでトップの座はハミルトンに戻った。

 今回はタイヤへの負担も比較的少ないことから1ストップ作戦が主流。ハミルトンはいつも通り序盤から2位以下を引き離す快走で大きくリードを築いていく。27周を終えたところでピットインしミディアムタイヤへ交換。トップのままでコースに復帰する。他車がピットインをしている間に、1周目のタイヤ交換で最下位まで落ちていたロズベルグが怒涛の追い上げをみせ2位へ浮上。ただ同じタイヤで52周を走り切るのはさすがに難しいだろうと思われていたが、ロズベルグは巧みにタイヤマネジメントを行い、なんと最後まで走りきってしまう。

 結局、ハミルトンが終始独走状態でチェッカー。今季9勝目を飾った。2位にはミディアムタイヤで超ロングランをやってのけたロズベルグ。3位にバルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)が入った。

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 今回メルセデスAMGがワンツー・フィニッシュを決めたことで565ポイントに伸ばし、残り3レースを残してコンストラクターズチャンピオンが決定した。

 また小林可夢偉(ケータハム)は19番手からスタートするも、21周を終えたところで突然チームからの指示でリタイア。原因はブレーキトラブルとされているが、可夢偉は「意味が分からない」と怒りを露わにしている。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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