【F1】2014第13戦イタリアGP:レースレポート

©MercedesAMG
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 2014年のF1世界選手権も残すところ7レース。そのうちの一つである第13戦イタリアGPの決勝レースが7日、モンツァサーキットで行われた。

 予選日同様に晴天に恵まれたモンツァには、今年も多くのティフォシをはじめF1ファンが来場。イタリアGPならではの熱気に包まれた。しかし、地元ファンの声援も届かずフェラーリはキミ・ライコネンがQ2で敗退、フェルナンド・アロンソも7番グリッドと低迷。代わりにグリッド最前列を固めたのは昔から因縁のライバルでもあるメルセデス勢だった。

 ポールポジションは今季5度目のルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)。しかし、スタートで失敗してしまい大きく後退。代わりに2番手の僚友ニコ・ロズベルグがトップに立つ。

 ケビン・マグヌッセン(マクラーレン)、バルテリ・ボッタス(ウイリアムズ)に先行され思うようにペースを上げられないハミルトン。何とか9周目に2位へ浮上し、トップ奪還を目指す。時を同じくして3.8秒のリードを築いていたロズベルグが9周目1コーナーでコースオフ。せっかく築いたマージンを失いハミルトンに2秒差まで詰め寄られる。

 ここからは、メルセデスAMG2台によるハイレベルなバトルが展開。お互いにファステストラップを塗り替えながら周回を重ね、ラップタイムも拮抗。両者のギャップも縮まること離れることもなくレース中盤を迎えた。

©MercedesAMG
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 今回のモンツァではハード・ミディアムと一番硬い組み合わせが用意され、ほとんどのチームが1ストップ作戦を選択。20周を過ぎたあたりからピットが賑わいだす。トップを走るロズベルグは24周目にピットインしミディアムからハードへ交換。特に大きなロスなくコースへ復帰する。一方のハミルトンも翌25周目にピット作業を済ませた。

 両者の順位は変わらず、ギャップも1.8秒。しかしハミルトンが予選でもみせた郡を抜く速さをここで発揮。2周連続でファステストラップを叩き出し、一気に0.7秒差まで詰め寄った。

 これにプレッシャーを感じたロズベルグ。29周目の1コーナーでまたしてもミスが出てしまいコースオフ。この間にハミルトンがトップを奪い返した。この後は主導権が入れ替わりハミルトンのペース。徐々に差を広げていき安全なマージンを築いていく。これにはロズベルグも為す術がなかった。

 レース終盤、トップ争いの決着が落ち着いた中、サーキットを沸かせたのがセルジオ・ペレス(フォース・インディア)。ジェンソン・バトン(マクラーレン)と激しい7位争いを繰り広げ、時にはコース半周にわたってサイド・バイ・サイドを繰り広げた。

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 前回ベルギーGPではまさかの同士討ちでポイントを稼げなかったハミルトン。ここイタリアで遅れた分を取り返すトップチェッカーを受け今季6勝目、通算36勝目を飾った。2位にはロズベルグ、3位にはフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)が入りこちらも嬉しい今季初表彰台となった。

 ベルギーGPでの接触以降、2人に確執が生じていると報じられてきたが、レース後のパルクフェルメや表彰式でも全く話すこともなければ、目も合わさなかった。今回の結果でロズベルグが238ポイント、ハミルトンが216ポイントとなり、残り6レースで22ポイント差。いよいよチャンピオン争いが本格化していきそうだ。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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