2014年のSUPER GT第5戦富士の公式予選。GT300クラスは、JAF-GT勢によるポールポジション争いが白熱した。
気温25℃、路面温度31℃の雨がパラつく中で14時00分にQ1がスタート。上位13位以内を目指すこのセッションでは、まずCR-Z GT勢が好調。No.0 MUGEN CR-Z GTの野尻智紀とNo.55 ARTA CR-Z GTの小林崇志が走る度にトップタイムを更新し合う熱戦に。結局、小林が0.1秒差で競り勝ちトップ通過を果たす。
一方、毎戦で上位に食い込んできていたNo.11 GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)が大苦戦。19位に終わりQ1でノックアウト。さらに前回のSUGOで優勝を飾ったNo.88 マネパランボルギーニ GT3(織戸学/青木孝行)も21位で姿を消すことになる。
続くQ2。気温、路面温度ともに下がり始めるなか、他のJAF-GT勢も本領を発揮。まずはGT300通算12回目のポールポジションを目指すNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORTの佐々木孝太が1分38秒419をマークしトップに浮上。ところがそれを塗り替えたのが、ここ富士で優勝経験のあるNO.31 OGT Panasonic PRIUSの新田守男。わずか0.005秒上回る1分38秒414を記録した。その次の瞬間、後方で連続してタイムアタックをしていた佐々木がコントロールラインを通過。タイムは0.001秒まで全く同じ1分38秒414。SUPER GTでは過去数年を遡っても例のない同タイムにサーキット中が湧き上がった。
ルール上、先に計測を終えた方が順位が上になるため、31号車プリウスの新田が1位。それでも佐々木は最後まで諦めずに再度アタック。1分38秒256を叩き出して再逆転。ついに12回目のポールポジションを掴みとった。2位には31号車プリウスの新田/嵯峨組、3位には0号車無限CR-Zの中山/野尻組が入り、今回はJAF-GT勢がトップ4を独占する結果となった。
通算のPP成績をさらに伸ばした佐々木は「まさかここまでの速さを引き出せるとは思っていなかった。途中の雨もまずいなと思ったのですが、諦めずに走れば何とかなると思って攻めました。」とコメント。またパートナーの井口は「前回のSUGOはかなりバタバタなレースになってしまい、ファンの皆さんにも申し訳なかった。今回こそは勝たなきゃいけないと思っているので、明日はこのポジションを生かしてトップで帰ってきたいです。」と意気込みを語った。
『記事:吉田 知弘』
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