2014年のスーパーフォーミュラ第3戦富士。決勝でのグリッドを決める公式予選が行われた。前回と同じ富士スピードウェイでのレースということで、各チームともにマシンのセットアップも進んでおり、昨年までのSF13同様に0.001秒を争うハイレベルなタイムアタック合戦が展開された。
まず全車19台が出走した予選Q1。上空が分厚い雲に覆われているということもあってかグリーンシグナルと共に一斉にピットアウト。その中でも昨日から好調の中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)が1分24秒092を叩き出し、トップ通過を果たす。その他にもアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)やアンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)らが好タイムを出す中で、2位にはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が食い込んでみせた。昨日の専有走行ではマシントラブルでほとんどと言って良いほど走れていなかったが、その影響を感じさせない走りを予選Q1から披露してくれた。
また着実に速さを取り戻しつつあるホンダ勢は山本尚貴(TEAM無限)を先頭に5台がQ2進出を果たしたが、エース格である小暮卓史(NAKAJIMA RACING)や元F1ドライバーのヴィタントニオ・リウッツィ(HP REAL RACING)らがQ1でノックアウトとなった。
続くQ2でもオリベイラが好調。1周目のアタックではコカ・コーラコーナーで少しはみ出すミスがあったが、その後もチェッカーまでタイムアタックを繰り返し1分23秒751を記録し、ここでもトップ通過。2位に石浦宏明(Projectμ/CERUMO・INGING)、3位に一貴と続いた。さすがにQ2となるとホンダ勢も苦戦を強いられたが、チャンピオンの山本が最後の最後で意地をみせ1分24秒259で8位に滑り込み、今回も陣営で唯一Q3へ駒を進めた。
第3戦のポールポジションが決まる注目のQ3。ここでもオリベイラが先頭でコースインし、先頭でタイムアタック。1分23秒729を叩き出すが、これを塗り替えたのがスポット参戦のカルダレッリ。全身全霊を込めたラップは1分23秒667でわずかながらオリベイラを上回るタイムを記録。この後も、非常に僅差のタイムが出るが、誰もトップタイムを更新することはなくチェッカー。デュバル欠場により急きょ代役参戦となったカルダレッリが、嬉しいSF初ポールポジションを獲得した。
2位にはオリベイラ、3位にはジェームス・ロシター(KONDO Racing)が入り今季絶好調だったトムス勢が予選でトップ3から外れるという波乱の展開となった。
パルクフェルメに帰ってきたカルダレッリは、自分自身でも満足のいくアタックだったようで、全身で喜びを爆発。初ポールに興奮した表彰だった。「自分としては完璧なラップだったし、やり残すことのないアタックだった。」と記者会見でも満面の笑みだった。
終わってみれば、予選Q3はトップから4位の一貴までが0.1秒以内、7位の山本までが0.3秒以内と大激戦の予選に、来場したファンも大熱狂の予選だった。
『記事:吉田 知弘』
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