今年も世界三大レースの一つとして知られる「インディ500(第98回大会)」。今週末、アメリカ・インディアナ州にあるインディアナポリス・レースウェイで決勝レースが行われる。インディカー・シリーズにフル参戦中の佐藤琢磨(AJフォイトレーシング)も出場する他、元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤ、ジャック・ビルヌーブらも参戦するとあって注目を集めている。
これまでシリーズで最も過酷と言われている1戦に果敢に挑戦してきたが、最高位は昨年の13位。2012年には最終ラップまでダリオ・フランキッティらとトップ争いを演じ、あと一歩のところでインディ500初制覇が見えていたが、ファイナルラップのターン1でフランキッティに競り負けスピン。F1時代には2004年(アメリカGP)で初表彰台を獲得するなど思い出深いインディアナポリス・レースウェイだが、インディでは良い思い出を作れていない。
今年で5回目の挑戦となる伝統の一戦を前に、琢磨は今回のみのスペシャルデザインを施したヘルメットを用意。青と赤をベースカラーとし、舞台となるインディアナポリスのゴールライン「ブリック」の模様と自身のカーナンバー「14」を表したデザイン。そこに日の丸も描かれている。また上部にはチームオーナーであるAJフォイトが、ここインディ500で挙げた4勝を示す「4つの星」もデザインされており、今週末のレースへかける意気込みがうかがえる。
[今週末、琢磨が使用するスペシャルデザインのヘルメット(©TakumaSato.com)]
なお、このスペシャルヘルメットは、レース終了後24時間以内にE-Bayのオークションに出品予定。その収益は「With you Japan」を通じて東日本大震災の復興地の子供たちへの支援に役立てられるとのこと。
長年の伝統に従って決勝1週間前の17日(土)・18日(日)の2日間にわたって公式予選が行われた。琢磨は超高速のオーバルコースを果敢に攻めたが、結果は振るわず全33台中23番手(8列目)となった。なおポールポジションは2年連続でエド・カーペンターが獲得した。
佐藤琢磨コメント(Hondaリリースより)
「予選は2日間とも厳しいものとなりました。新しい予選方式はよくできていて、とてもエキサイティングでした。予選1日目だった昨日は、天候という要素が絡んだ賭けになっていました。幸運を手にしたチームもあれば、そうでなかったチームもあったように見えました。予選2日目の私たちは、朝の気温が低かったプラクティスで新しい項目を複数チェックし、昨日と比べていくらかの前進を果たすことができました。そして迎えた予選では、気温は高くなっていましたが、私たちはスピードアップを達成しました。しかし、ライバル勢もスピードを上げてきており、私たちのマシンはハンドリングがオーバーステアになっていました。なんとか踏ん張ってスロットル全開を保ち続けた4周は、壁側ギリギリを走るアタックとなりました。予選までの自分たちのパフォーマンスを振り返ると、全体的に見ればまずまずの成果を挙げていると思います」
今季は開幕戦のSt.ピーターズバーグでポールポジションを獲得。幸先の良いスタートを切ったかに思われたが、その後はレース展開に恵まれず、ここまで好結果を残せていない。今回も23番手と後方からのスタートだが、500マイル(約805km)という長丁場のレースでは挽回のチャンスは十分に有り得る。注目の第98回インディ500は日本時間の5月26日(月)午前1時00分にスタートが切られる。
『記事:吉田 知弘』
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