【SF】2013第6戦SUGO:スポット参戦の琢磨は11位「今回もポジティブな側面は多かった」

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 9月28・29日に行われた2013年全日本選手権スーパーフォーミュラ第6戦SUGO。今回はアメリカ・インディカー・シリーズで活躍中の佐藤琢磨がTEAM無限から開幕戦鈴鹿以来となる参戦で注目を集めた。開幕戦の鈴鹿では少ない合同テストの時間で集めたデータを上手く活用し慣れ親しんだ鈴鹿サーキットで予選6位を獲得。ただ決勝ではインディカーとは異なるスタンディングスタートでフライングをとられてしまい大きく後退。15位に終わった。

 あれから5ヶ月。インディでは日本人初優勝を飾る大活躍し、再び国内トップフォーミュラの舞台へ。ここSUGOは昨年もレースをしており、すでに経験済みのコース。さらに今年は山本尚貴の活躍により絶好調のTEAM無限のマシンを追い風となり、予選では見事Q3に進出。伊沢拓也(DOCOMO DANDELION RACING)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)など同シリーズでの上位ランカーを上回る8番グリッドを手に入れた。

 翌29日の決勝。展開次第では表彰台も狙える位置。スタンドには多くの琢磨ファンも応援に駆けつける中、スタートの時を迎えた。路面コンディションを考慮してホイールスピンを抑えようとしたのが裏目に出て、エンスト。これで大きくタイムロスし、またしても後方から追い上げるレースを強いられた。それでも、粘り強く1周1周走る琢磨。東日本大震災を乗り越え、今も復興に向けて頑張る東北のファンを勇気づける力強い走りを見せた。

 しかし、レース終盤に4度目のセーフティーカーが導入され、残り4周のスプリント勝負になると、トップを走っていたロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が再スタートのタイミングを巧みにコントロール。その影響もあり、最終コーナー入口で後続が詰まる形となり、琢磨は他車と接触。フロントウイングを破損してしまい、ピットインして2周遅れでレースを終える形となった。今回も残念ながら入賞とはならなかったが、この2日間を“ポジティブな部分もあった”と前向きに捉えているようだ。

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佐藤琢磨コメント(takumasato.comリリースより)
「朝のウォームアップ走行では、昨日の延長上にクルマが良くなっていて、手応えを感じました。それで、スタートではジャンプアップを狙っていきました。ここは抜きにくいサーキットですし、スタートでできるだけ前に出てレースを始めたかったからです。ただし、路面コンディションの影響もあって、スタートでは過大なホイールスピンを抑えようと狙いましたが、結果的にエンジンをストールさせてしまいました。ここはサーキット全長が短い為に、レースに復帰したときにはちょうど周回遅れになってしまったのは残念でした。何度もセーフティーカーの入る荒れたレースで、最後尾から少しでも順位を上げられたことは良かったと思いますが、チームも好調だっただけに、スタートの失敗でレースを台無しにしてしまったのは残念です。次は最終戦の鈴鹿に出場します。春に走ったデータもありますし、今回もポジティブな側面は多かったので、再び鈴鹿に戻ってレースできることを楽しみにしています。」

 SUGO戦を終えると琢磨はすぐにアメリカに渡り、インディ第17戦ヒューストンに備えるというハードスケジュール。向こうでのシリーズを全て終え、今度は11月9・10日の最終戦鈴鹿で日本のファンの前に登場予定だ。

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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