【SGT】2013第6戦富士:ウイダーモデューロHSV010がランク首位へ、9pts差に8台の接戦に

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 セーフティカー導入と途中に雨が降るなど大荒れのレース展開となったSUPER GT第6戦富士。レースはポールポジションからスタートしたZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平)が途中順位を落とすものの、終盤に逆転してトップ浮上。待望の今季初優勝を勝ち取った。この結果によりチャンピオン争いは、ますます混戦模様になった。

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 前回鈴鹿でランキング首位に立ったMOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ)だが、重くなったウェイトハンデに苦しみ予選Q1で9位敗退。決勝も中団グループで争うことになり、レースは9位で終え44ポイントでランキング3位へ後退。その23号車を1ポイント差で追いかけていたカルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)も予選から苦戦。決勝は着実に追い上げ順位を8つ上げて6位でチェッカーを受けた。前回鈴鹿で涙の初優勝を飾ったウイダーモデューロHSV-010(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ)は、予選3位と好位置を手にするも、前半スティントで苦戦し一時は9位までポジションを下げてしまう。しかし途中のセーフティカーにも助けられ5位まで挽回しチェッカーを受けた。これにより、2台は同じ46ポイントで並ぶが、これまでの上位入賞回数の差(※1)で、山本/マコヴィッキィ組がポイントリーダーに浮上。「残り2戦はすごく楽しみ。だけど、その分レースやタイヤテストが今まで以上に重要になるから、少しでもベストな状態を作れるようにしたい。」と山本は改めて気を引き締めていた。マコヴィッキィも「オートポリスはこの前テストで走ったけど感触も良かったし、自信はある。この調子で次も頑張りたい」と意気込んでいた。

(※1)
18号車と12号車のポイント位置関係

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 この上位3チームに今回の富士で優勝した38号車の立川/平手組が43ポイントで4位に浮上し、2位に入ったKEIHIN HSV-010(塚越広大/金石年弘)が41ポイントに伸ばしランク5位に浮上。2013年のSUPER GTは残り2戦でトップ5台が5ポイント以内にひしめく大接戦となった。

 その一方、今回の富士では1ポイントも落とせなかったRAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/小暮卓史)がラジエーターの破損トラブルで痛恨のリタイア。ランキング7位に後退してしまった。また同ポイントでランク5位につけていたDENSO KOBELCO SC430(脇阪寿一/石浦宏明)もセーフティカーの影響で戦略が狂い11位フィニッシュ。こちらもノーポイントで終わり8位に後退。それでも、トップの18号車から9ポイント差と逆転のチャンスはまだ残している。

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 来季から車両規定が大幅に変わるため、すでに報道されている通り3メーカーとも全く新しいマシンを投入。そのため現行型マシンでは最後のシーズンとなる。果たして、どのチーム・メーカー、ドライバーが有終の美を飾ることができるのか?今年のチャンピオン争いはSGT史上に残る大激戦になるかもしれない。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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