いよいよ17日に開幕するSUPER GT第5戦インターナショナルポッカサッポロ1000km。GT500クラス同様に今季のGT300クラスも白熱したバトルが展開され注目を集めている。
近年はBMW、ポルシェといったFIA-GT3規格車両が上位を独占していたが、今年は2012年にデビューしたトヨタプリウスGT、ホンダCR-Z GT、スバルBRZが活躍。4戦を終えて3戦でJAF-GT勢が優勝を飾っている。
ここ第5戦鈴鹿は、チャンピオン争いに向けて絶対に落とせないレース。果たしてどのチームが上位に食い込んでくるのか?目が離せないバトルが展開されそうだ。
【悲願の初優勝へ、進化するスバルBRZに注目】
今年、4戦中3戦でポールポジションを獲得していながら決勝ではトラブルやアクシデントに巻き込まれ、未だ優勝が出来ていないSUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太)。シーズン序盤ではレースペースの悪さが課題でもあったが、走る度に進化をし続け、前回SUGOではライバルCR-Z GT勢と互角の走りをみせた。しかし終盤に降りだした雨の影響でレインタイヤに交換したのが裏目に出て5位。またしても悔しい結果に終わってしまった。
それでも確実にマシンは進化しており、7月に行われた鈴鹿合同テストでは2日ともトップタイヤをマーク。彼らが得意とする中高速コーナーでの速さを存分に活かせるサーキットだけに、トラブルなどが起きなければ勝てる可能性は十分にあるだろう。
今回、1000kmということで第3ドライバーとしてGT500でのレース経験のある井口卓人を起用。チームとしてはレガシィB4で鈴鹿を制した実績もある。万全の体制で陣営は週末に挑む。
【無敵のCR-Z GTホームコースでも連覇なるか?】
今シーズン、一番の快進撃をみせているのがホンダCR-Z GT。今年はMUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中山友貴)、ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)の2台体制でハイブリッドGTカーでのシリーズチャンピオンを狙う。第3・4戦ではARTA CR-Zが2連勝。無限CR-Zも第2〜4戦まで3戦連続で2位表彰台と安定した強さを発揮。現在武藤/中山組の無限が49ポイントでランキング首位に躍り出ている。
性能調整により、パワー制限がかかっているにも関わらず速さを発揮しているCR-Z GT。ここ鈴鹿でも確実に優勝争いに絡んでくる可能性は高いが、さすがにウェイトハンデが多くなってきており、そこまで簡単に独走というわけには行かないだろう。
しかし、ここ鈴鹿はホンダ勢にとってはホームコース。ライバルの追撃を凌いでなんとしても勝ちたいところ。さらに1000km戦では優勝車には通常より5ポイント多い25ポイントのボーナスポイント与えられる。チャンピオン争いを考えると、取り逃すことが出来ない1戦。どんな走りを披露してくれるのか、楽しみだ。
【巧みなレース戦略が的中すれば逆転優勝もあり?初音ミクBMW】
鈴鹿での1000km戦は、いつもとは異なり完全な耐久レースになる。特にGT300クラスは異なる規格や特徴を持ったマシンが数多く参戦しているため、レース戦略が大きく異なってくるのも見どころの一つ。その中でも一番注目なのがGSR初音ミクBMW(谷口信輝/片岡龍也)だ。
2011年に悲願のチャンピオンを獲得した初音ミク号。片岡龍也が加わって連覇を目指した昨シーズンだが、マシンアップデートの遅れと性能調整に苦しめられ速さという点では他車に劣るシーンが多く見られた。そこで彼らが考えたのが、できる限りタイヤと燃料をセーブしてピット作業時間を減らす(給油時間の削減とタイヤ無交換)戦略で臨んだ。ピット回数が多くなる1000kmでは非常に有効な作戦ではあり、昨年も実行しようとしたが無念のガス欠リタイアとなってしまった。しかし、上手く決まれば確実にレース終盤になってトップ集団の一員に加わってくることは確実。今回も同じように燃費セーブの作戦を選んでくることは間違いないだろう。
今年は開幕戦で2位表彰台があるものの、それ以降は苦戦が続いており、優勝からも遠ざかり始めている。波乱の天気になりやすい1000kmでベテランの谷口と片岡がどのような走りを見せてくれるのか?こちらからも目が離せない。
GT500以上に見どころが満載なGT300クラス。普段はなかなか注目されない場面も多いが、レースファンにとっては見応えのある展開になる可能性が高い。果たして、最後に笑うのはどのチームなのか?GT300からも目が離せない。
『記事:吉田 知弘』
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