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【ビギナー観戦塾】「知っておくと楽しめる!」F1の予選ルール(2013ver.)
- 2013/7/6
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いつもビギナー観戦塾をご覧いただきありがとうございます。
いよいよ3ヶ月後に迫った2013F1日本グランプリ。そろそろ観戦券をご購入された方は、皆さんのご自宅にも届いている頃ではないでしょうか?
その中には、初めてF1を現地に行くと言う方も多いと思います。しかし、レースのルールが分からないとせっかくの現地観戦での楽しみも半減してしまいますよね。とは言っても、今年で鈴鹿でのF1開催も25年目ということで観戦歴の長いファンも多く、基本的なルールについて紹介してくれるサイトは少ないです。
そこで!中身を知ると2倍・3倍面白くなるF1のルール紹介をお届けしようと思います。今回は、決勝レースの展開を大きく左右するとも言われる「公式予選」についてご紹介したいと思います。
【他のスポーツとは違う“予選〜決勝”の仕組み】
通常、「予選」と聞くと「決勝(もしくは本戦)へ進むために勝ち抜かなければいけないラウンド」と思う方がほとんどだと思います。しかし、F1などモータースポーツでの予選は少し異なり、決勝レースでのスタート順(グリッド)を決めるためのものになります。
もちろん、上位のグリッドを手に入れれば、決勝レースも有利に進めることできるため、“予選”という名前はついているもののレースの一部と言っても良いくらい重要なセッションなのです。特にF1日本GPの舞台となる鈴鹿サーキットは追い抜きポイントが少なく、上位からスタートしたドライバーが圧倒的に有利になることが多いです。その証拠に過去24回開催されたうち21回はフロントロー(スタート最前列、つまり1・2番グリッド)からスタートしたドライバーが優勝しています。決勝レースの展開を占う意味でも超重要な要素なのです。
【もう一つの名誉“ポールポジション”】
世界最高峰の自動車レースとして、多くのレーシングドライバーが目指す最終地点「F1」。もちろん、そこで勝つことこそが最高の栄誉ではあるのですが、もう一つ名誉があると言われているのが、「予選1位“ポールポジション”を勝ち取ること」なのです。決勝レースは305kmという長い距離をレース戦術や安定した走りなど、単純な“速さ“以外の要素も必要になってきます。それに対し1周勝負の予選は完全な速さ勝負。なので、ポールポジションを何度も獲得するというのは、レースで勝つこととはまた異なる“目標”としてF1ドライバーたちが目指すところなのです。
実際に歴代最多記録を見ると、1位ミハエル・シューマッハ(68回)、2位アイルトン・セナ(65回)とF1の歴史でも輝かしい成績を残したドライバーが上位を占めています。決勝レースのためだけではなく、ドライバーのプライドをかけたバトルが観られるのが予選。これは是非生で観戦したいですね!
それでは、次に細かなルールについてご紹介して行きたいと思います。
【現在のF1予選ルール】
本当に細かいものまで全部説明していくと、膨大な量になってしまうので、ここでは基本的(レース観戦で最低限知っておきたい部分)なところを中心にご紹介させていただけます。
<ステップ1(基本的な順位の決め方)>
F1をはじめ、多くのモータースポーツで採用されている予選の順位決定方法。その基本的な決め方はコース1周のタイムを計測、そのベストタイムが早かった順でグリッドが決められていきます。
『ちょっと気になるQ&A』
Q1:ピットアウトした周から計測できるのですか?
A1:できません。ピットアウトした周、ピットインする周は無効になり、メインストレート上にあるコントロールを通過した周が有効になります。
Q2:タイムアタックの回数に制限はありますか?
A2:制限はありません。以前(1997〜2002年ごろのルール)では、1人12周までという上限がありましたが、当時と進行ルールが違う(詳細は後ほど)ため、周回数の上限はなく、決められた時間内であれば何周でもできます。
Q3:チェッカー(制限時間終了)が振られた時にタイムアタック中の場合はどうなるんですか?
A3:その時点でタイムアタック中のものについては全て有効になります。
Q4:予選落ちになることはあるのですか?
A4:あります!現在のルールでは予選通過基準タイム(詳細は後ほど)というものが各戦で設けられ、それを上回れなかったドライバーは基本的に決勝グリッドにつくことを許されません。
(マメ知識!→F1の競技規則には“1レースでの最大グリッド数は26まで”という記載があるので、もしエントリー台数が27台以上になった場合は、毎レース必ず予選落ちが出ることになります。)
<ステップ2(ノックアウト方式)>
基本的な順位の決め方を覚えたところで、次のステップです。現在のF1予選では「ノックアウト方式」というものが採用されていおり、各ラウンドで設定された順位以内に入らないと次に進めないという形式になっています。では詳しく見ていきましょう。
●予選第1ラウンド「Q1」
まずは20分の制限時間で争われるQ1で各車がタイム計測を行います。そこで出た順位のうち、1〜16位は次の第2ラウンド「Q2」へ進出、17位以下の6台は次のラウンドに行けずノックアウト。このQ1での順位が決勝グリッドとして決定します。
★Q1では予選落ちになる可能性も!★
前述の基本ルールのところでも少し触れましたが、このQ1で1位だったドライバーのタイムの107%が「予選通過基準タイム」となり、それより遅かったドライバーは予選落ちとなり、決勝への参加が原則認められません。
例)
1位タイムが1分30秒995の場合、その107%タイム(1分30秒995×
1.07=)は1分37秒364になります。これより遅い場合は予選落ちになります。
ただし、予期せぬアクシデントやマシントラブル、その他天候等の理由により基準タイムをクリア出来なかった場合は救済措置として主催者側に申請をすれば、フリー走行で記録したタイムなどを参考に決勝レースへの参加が認められる場合があります。
●予選第2ラウンド「Q2」
Q1で勝ち残った16台から、今度は最終ラウンドに進める上位10台を再度決めるQ2がはじまります。ここでの制限時間は15分。ただし、Q1で記録したベストタイムは全て消去され、全員“持ち記録なし”の状態から再スタート。つまり最低1回はタイム計測をする必要があるということですね。先ほど同様に1〜10位は最終Q3へ。11〜16位はノックアウトとなり、このQ2での順位=決勝グリッドになります。
●予選第3ラウンド「Q3」
激しいQ1、Q2の争いを勝ち抜いた上位10台のみが出走できる最終のQ3。予選1位となり決勝グリッドの一番前「ポールポジション」という名誉ある特等席を獲得するチャンスを手にしたドライバーたちが10分勝負で再びタイム計測合戦を行います。これまで同様に、ここでの順位が決勝グリッドの上位10番手の組み合わせになります。
★Q3進出者は「予選で使用したタイヤで決勝スタート!」
現在のF1では予選で上位に進出したドライバーばかりが有利にならないようなルールが一つ設けられています。最終ラウンドまで進出したドライバーは、それぞれQ3でのベストタイムを記録した時に使ったタイヤで決勝スタートをスタートしなければいけないというルールです。つまり上位進出メンバーは、決勝レースの序盤戦も視野に入れて、どのタイヤにするかを予め選んだ上でポールポジションをかけた争いをしなければいけないということになり、それはそれで頭を悩ませる所。一方11位以下のドライバーは自由にタイヤを選ぶことができるので、上位陣より有利な新品タイヤを装着することも可能。「決勝のことは気にせず上位を狙うか?」「少し後方に下がっても決勝スタート時に有利なタイヤを選べるようにするか?」こういったレースを踏まえた駆け引きも予選から繰り広げられる事になります。
いかがだったでしょうか?
何年も現地観戦しているという方も「決勝だけ観られればOK観」と考えていた方も多いかもしれませんが、是非この機会に土曜日も鈴鹿サーキットに行って予選もチェックしてみてください!今まで以上に現地での楽しみ方も変わると思います。ちょうど、今週末は第9戦ドイツGPが行われます。こちらでも是非予選から観戦してみると、2倍・3倍面白くなりますので、こちらもチェックしてみてください!
『記事:吉田 知弘』
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