残り6時間を切ったル・マン24時間耐久レース。現地のサルトサーキットでは再び雨が降りはじめ、序盤から各車に襲っている“ル・マンの魔物”が再び牙をむき始めた。
序盤から激しくトップ争いを繰り広げていた99号車アストンマーティンと92号車ポルシェ。接戦の展開をなんとか打破しようと、99号車はブルーノ・セナからフレデリック・マコヴィッキィと実力派でバトンをつなぎ、逃げ切り態勢を築こうとした。チームの期待通り、後続の少しずつ引き離しにかかった矢先に、雨で足元をすくわれユノディエールの第1シケイン出口でコントロールを失いクラッシュ。マシンフロント部を大きく損傷し、ドライバーが無事か一瞬心配されたが、彼は自力でマシンから脱出し走ってガードレールの外へ避難。幸い大きな怪我はなかったようだが、ここまで18時間以上チーム一丸となって必死にトップ争いをしてきただけに、その場で座り込んで落胆している様子が見られた。
このクラッシュにより、この日10回目のセーフティカー導入。99号車の脱落に加え、5位を走っていた51号車AFコルセもピット作業中にマシンから出火。大事には至らなかったが、大きくタイムロスをしてしまった。これにより、ちょうど可夢偉が乗り込んだ71号車AFコルセが単独4位に浮上。前を走るポルシェ、アストンマーティンに対して2周の差がついているが、前のマシンに何か不測の事態が起これば逆転で表彰台圏内に上がれるとだけ合って、残り4時間30分でSCランが終了しレースが再開されると、3分58秒台のタイムを連発し激走を続けている。
残り時間と彼らのレースペースを考えると、自力での逆転は難しいが、何が起こるのか分からないのがル・マン24時間。初のル・マン挑戦だが、このまま最後まで“可夢偉らしい”最後まで諦めない走りを期待したい。
『記事:吉田 知弘』
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