【INDY】2013第3戦ロングビーチ:大願成就!!佐藤琢磨が遂にインディ初優勝!

©INDY CAR
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2013年のIZODインディカー・シリーズ第3戦ロングビーチ決勝が現地時間の21日(日)16時00分から行われ、4番手からスタートした佐藤琢磨(AJフォイト・レーシング)が初優勝を飾った。

スタート直後に3位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)を抜いて3位に上がると、後続でアクシデントが発生し1回目のフルコースコーションになる。8周目にリスタートが切られると、すぐに2位のライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポーツ)を猛追。上位陣がレッドタイヤ(ソフト)を装着する中、ハード側のブラックタイヤでスタートした琢磨だったが、路面状況とマシンセッティングにマッチしており、上位陣の中では一番勢いのあるペースで周回。遂に23周目にハンターレイをオーバーテイクし2位に浮上する。続く相手は昨年のインディ500最終ラップで優勝争いをしたダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング)。すぐに背後に近づきチャンスを伺うが29周を終えたところで1回目のピットストップを先に行う。

ここでチームクルーが完璧な迅速な作業を行い、少ないタイムロスでピットアウト。その直後にまたしても後続でアクシデントが発生。2回目のフルコースコーションになる。このタイミングで首位フランキッティがピットインするが作業に手間取り、ついに琢磨が逆転。ラップリーダーに踊り出る。

35周目のリスタートでは、2位のパワーに隙を与えない完璧なスタートを切るが、後続でクラッシュがあり再度コーション。39周目、3度目のリスタートもきっちり決めてトップを死守。レース序盤で琢磨と順位争いをしたフランキッティやパワーはペースが上がらず後退。代わって2位にあがったグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)が背後に迫ってくるが、全くミスをしない完璧な走りで周回。するとレース展開も琢磨に味方し始める。

ちょうど2回めのピットストップが近づいた51周目にハンターレイがクラッシュ。これで4回目のフルコースコーションとなり、同時に琢磨をはじめ上位陣が一斉に最後のピットイン。ここでもAJフォイト・レーシングのクルーが完璧な作業で彼を送り出し、そのまま1位をキープする。

56周目、最後のリスタートも無難に決めるとレイホールと自身初優勝をかけた一騎打ちへ。最初の数周は1秒後方に迫られる苦しい展開だったが、琢磨はトップを守りつつ3スティント目に選んだレッドタイヤをしっかりマネジメント。残り10周を切っても1分09秒前半のペースを維持。一方の2位レイホールはタイヤが厳しくなり、その差が少しずつ広がっていく。

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歓喜の瞬間が近づいた78周目、5位を走行していたトニー・カナーンがターン1でクラッシュ。ファイナルラップに入ったところでフルコースコーションとなり勝負あり。ゆっくりと最終コーナーを立ち上がった琢磨は、拳を高々と突き上げチェッカー。2010年からインディに転向して4シーズン目、遂に悲願のインディ初優勝を飾った。同時にインディカー・シリーズ史上初の日本人優勝者が誕生した瞬間だった。

琢磨自身の優勝は2001年のF3マカオGP以来、およそ12年ぶりに表彰台の頂点にたった。レース直後のウィナーズインタービューに応じた琢磨は「今日は本当に速くてマシンも完璧だった。チームからのピットインコールのタイミングも完璧だったし、クルー全員が良い仕事をしてくれた。本当に完璧で適当な言葉が見つからない。ここまでサポートしてくれたスポンサーの皆様をはじめ、全ての人に感謝したい。」と満面の笑み。

2010年からインディ参戦をはじめ、最初の2年はKVレーシングで苦しいレースが多かったが、レイホール・レーシングに移籍した昨年は初表彰台を獲得。何度も有所まであと一歩というレースがあったが、不運なアクシデントやトラブルでチャンスをものに出来なかった。今年はAJフォイト・レーシングに移籍して開幕戦から予選2位と絶好調。今回も予選から好位置をキープし、決勝ではミスのない完璧なレース運びを披露。日本のモータースポーツ界に明るいニュースを与えてくれた。

『記事:吉田 知弘』

吉田 知弘(Tomohiro Yoshita)

投稿者プロフィール

フリーのモータースポーツジャーナリスト。主にF1やSUPER GT、スーパーフォーミュラの記事執筆を行います。観戦塾での記事執筆は2010年から。翌年から各サーキットでレース取材を重ねています。今年はSUPER GTとスーパーフォーミュラをメインに国内主要レースをほぼ全戦取材しています。
初めてサーキット観戦される初心者向けの情報コーナー「ビギナー観戦塾」も担当。

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